流通経大柏 快速FW・粥塚4トライで快勝16強

[ 2015年12月31日 05:30 ]

<仙台育英・流経大柏>前半1分、仙台育英・岩本(左)にユニホームを引っ張られながらも先制トライを挙げる流経大柏・粥塚

全国高校ラグビー2回戦 流通経大柏69―17仙台育英

(12月30日 大阪・花園ラグビー場)
 2回戦16試合が行われた。シード校の流通経大柏(千葉)は69―17で仙台育英(宮城)に快勝。50メートル走6秒5と快足を誇るロック粥塚諒(3年)がチーム最多の4トライを挙げる活躍を見せて勝利に貢献した。深谷(埼玉)は新潟工(新潟)に45―14で快勝。6度優勝の天理(奈良)がシードの常翔学園(大阪第3)を5―3で破り、2連覇を狙う東福岡は黒沢尻工(岩手)に88―21で、前々回優勝の東海大仰星(大阪第1)は和歌山工に93―0で順当勝ちした。来年1月1日に3回戦8試合が行われる。

 “走れるFW”が初戦突破に大きく貢献した。前半1分、ラックから左に展開すると、次々にパスをつないで最後はロック粥塚が走り込んでトライ。開始早々の先制点で勢いに乗ると、粥塚は俊足を生かして4つのトライを量産。「1試合で4トライは初めて。自分の運動量を生かしてしっかりタックルできた」と攻守にわたる活躍だった。

 チーム最長身の1メートル86で体重93キロ。中学では並行して陸上競技にも励み、50メートル走は6秒5。ラグビーではその足を生かしてCTBを務めていたが、高校入学を機にFWへ転向した。だが、昨年大会では1トライも奪えずチームも3回戦で敗退。悔しさを晴らそうと1年間トレーニングに励み、脂肪が多かったという体は筋肉がついて目に見えて引き締まった。今では高校日本代表候補にも選ばれている逸材は「去年より走れる感じがした」という。相亮太監督(34)も「もともと能力が高い選手だが、きょうは効果的に動き回ってくれた」と評価した。

 現役時代はトップリーグのリコーで活躍した指揮官の思惑もはまった。「常に花園を意識した練習をしてきた。試合本番のような環境づくりを行った」。受験を控えた中学生やその保護者など多くの人が学校を訪れる学校説明会を利用し、あえて人の往来が多い場所で練習を行った。W杯効果もあって足を止めた人は約1000人に上ったといい、相監督は「そういうこともあって、選手は普段通りのプレーができたのでしょう」としてやったりの表情だった。

 花園ではベスト8が最高とあって、チームの目標はもちろん全国制覇。「チームの歴史を変えたい」と訴える快足FWが新たな一ページをしるす。

 ◆粥塚 諒(かゆつか・りょう)1997年(平9)7月30日生まれ、茨城県出身の18歳。茨城・大穂中出身。小学生からクラブチームに所属してラグビーに打ち込む。中学では陸上のハードル走を専門に二足のわらじ。高校入学と同時にFWに転向。ロックとフランカーをこなす。1メートル86、93キロ。

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2015年12月31日のニュース