日本女子団体総合5位、五輪メダル見えた 3位との差縮まる

[ 2015年10月29日 05:30 ]

世界体操選手権女子団体総合決勝の床運動でH難度の「チュソビチナ」を決める宮川の連続合成写真

体操世界選手権第5日

(10月27日 英国・グラスゴー)
 夢舞台のメダルが見えた。女子団体総合決勝で日本は、合計169・887点で5年ぶりに5位に入った。14年大会は銅メダルの国と6・040点差だったが、今大会は2・493点差と着実に前進。181・338点をマークした米国が3連覇を達成した。来年1月にはその米国や強豪国のロシアで、強化選手が合宿に参加する計画があり、Dスコア(演技価値点)を上げて16年リオデジャネイロ五輪でメダルを狙う。

 充実の笑みが確かな手応えを物語っていた。故障者続出で大会前は決勝進出も危ぶまれていた日本が、5年ぶりに5位と健闘。銅メダルを獲得した英国まで2・493点差で、16歳の初代表・宮川は「メダルを狙える位置には来たかな、と思う。勝負は来年のリオデジャネイロ五輪なんで、チームでメダルを狙っていきたい」とためらいなく「メダル」と口にした。

 日本の弱点だった種目で、宮川が爆発力を見せた。種目別2位で決勝に進んだ得意の床運動で14・633点、跳馬でも15・166点の高得点をマーク。「チームに貢献できる種目。必要と思ってもらえているのは、凄く感じる」。2種目とも最後の3番手を任され、「しっかりやらないといけない責任があった」と振り返った。

 笹田との主将2人態勢で日本をまとめたのが12年ロンドン五輪を経験している寺本だ。予選は跳馬の着地で乱れて4種目合計55・532点だったが、跳馬の難度を落とした決勝はミスなくまとめて56・691点。「しっかり自分の演技をして背中で引っ張れたと思う」。笹田は決勝で出番がなかったが、2人は練習からけん引した。調子が悪く落ち込む年下選手に「一緒にやろう」と声を掛けるなど好ムードをつくった。

 6位だった予選よりも順位を上げる目標は達成。入賞レベルからメダル争いにステップアップするために、課題も明確になった。平均台と段違い平行棒でDスコアを上げることが急務。来年1月には強化選手を米国やロシアに送り込み、現地で合宿に参加させる計画もある。より難度の高い技を安定して披露した時、64年東京以来となる五輪のメダルが実現する。

 ▼団体総合の試合形式 予選は6人中5人が演技し、上位4人の得点を合計する。決勝には予選の得点を持ち越さず、6人中3人が演技して全ての得点を合計するため、ミスが許されない。

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