小平“愛の力”で日本一!古閑と交際「優勝報告できるのはうれしい」

[ 2015年10月19日 05:30 ]

日本オープンを初制覇しカップを掲げて笑顔を見せる小平

男子ゴルフツアー日本オープン最終日

(10月18日 兵庫県神戸市 六甲国際ゴルフ倶楽部・東コース=7394ヤード、パー72)
 小平智(26=Admiral)がゴルファー日本一になった。勝負どころで苦手なパットをねじ込み、3バーディー、3ボギーの72で通算13アンダー。脳トレに加え、交際中のプロゴルファー、古閑美保(33)のアシストで13年日本ゴルフツアー選手権以来のメジャー2冠を達成した。大会連覇を狙った池田勇太(29=日清食品)は1打及ばず2位に終わった。
【最終成績】

 ボールが1メートル先のカップに消えた瞬間、若き王者が誕生した。夕日に照らされ長い影となった18番グリーンで控えめなガッツポーズ。小平は勝利の余韻を静かに、でも心の底から味わった。

 「喜怒哀楽は表に出さない方ですが、達成感はあったし、率直にうれしい」

 最後まで気持ちはぶれなかった。2打のリードを保ち折り返した直後の10番で1打差に詰められ13番では2メートルのパーパットを外し池田に並ばれた。さらにバーディーを取るべき14番パー5では2オンしながら3パット。流れが完全に悪くなったが「並ばれた方が気持ちが楽」と動じず、15番では7メートルのバーディーパットをねじ込んだ。

 1カ月前から本格的に脳神経外科医、林成之氏の元でトレーニングを開始。「バーディーを取るのは当たり前」「優勝カップを掲げているイメージを持つ」などのメンタルだけではなく、脳と連動している体の動きも勉強した。ショット巧者にありがちで「いろんな人から“下手くそ”と言われた」パット。林氏の助言でアドレスやストロークから見直したそれが、メジャー2冠目をたぐり寄せた。

 精神面、ショット、小技とすべてがかみ合った中で、彼女も後押ししてくれた。「古閑さんのために優勝したわけじゃない。いち彼女ですから」とかわしたが、交際中の古閑は賞金女王にもなったトッププロ。林氏の理論と古閑の現役の頃の話が一致することは度々あった。「上を極めた人だから、林先生の言っていたことがはまっていたら、自分にも取り込もうと思った。プラスになっている」。この日は関東での仕事のため観戦に来られなかった恋人へ「優勝報告できるのはうれしい」とこの時ばかりは精かんな顔をほころばせた。

 「離れているけど、(次に目指すのは)賞金王。ここから2、3勝したいし、最後まで突っ走りたい」

 賞金ランク1位との5400万円差の大逆転を狙うだけでなく、5年シードを獲得したことで欧米ツアーへの積極参戦も明言。恋にゴルフにこれからも、一直線に突き進む。

 ◆小平 智(こだいら・さとし)1989年(平元)9月11日、東京都生まれの26歳。元レッスンプロの父・健一さんの影響で中学で本格的にゴルフを始める。日大時代の10年、下部ツアーの鳩山カントリークラブ・GMAチャレンジでアマチュアとして優勝。大学を2年で中退しプロに転向した。13年の日本ツアー選手権でプロ初優勝。昨年のダンロップ・スリクソン福島オープンで2勝目を挙げた。得意クラブはアイアン全般。1メートル72、70キロ。女子プロゴルファーの古閑美保と交際中。

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