松山4差34位 疲労ピークも子供たちの声援で「我慢」2アンダー

[ 2015年7月24日 05:30 ]

10番、松山は大勢のギャラリーの注目を浴びながらスタート

男子ゴルフツアー ダンロップ・スリクソン福島オープン第1日

(7月23日 福島県西郷村 グランディ那須白河ゴルフクラブ=6954ヤード、パー72)
 今季、国内ツアー初出場となる松山英樹(23=LEXUS)は6バーディー、4ボギーの70で回り、2アンダーで首位と4打差の34位発進となった。11年3月の東日本大震災で被災した宮城県出身の子供たちを大会に招待。一時は2オーバーまでスコアを落としたが、声援を受けながら上がり、4ホールで3つ伸ばす勝負強さを見せた。66をマークした星野英正(37=フリー)ら4人が首位に立った。
【第1R成績】

 本調子ではないながらも崩れないのが松山の強さだ。初日を2アンダーで終え、「我慢してアンダーパーに持っていければ良いなと思っていた。その通りになってよかった」とうなずいた。

 開幕前日に帰国したばかりで「時差ボケでしんどいところに暑さと湿気で疲労はピーク」と中盤の18番ティーグラウンドで顔をゆがめ、思わず膝に手をやったほど。加えて、日本と英国の地面の硬さの違いに「距離感が合わなかった」と苦戦した。特にインから出た前半はショット後にクラブから手を離す姿が何度も見受けられた。雨で中断となった2番までは1オーバー。それでも、20分ほどの中断もじれることなく、切り替えると、ギアを上げた。

 後半の6番はクラブから手を離して第2打を打ちながらも、ピン奥1メートルにつけてバーディー。7番で左ラフからのアプローチを1・5メートルにつけてスコアを伸ばすと、最終9番は残り110ヤードの第2打をピン左3メートルにつけてバーディーで締めた。

 下手なプレーは見せられなかった。この日は昨年初日を1194人上回る2886人が松山見たさに集まった。東北福祉大出身で、今も日本での拠点を仙台に置く松山にとって東北は第二の故郷。かねて東日本大震災の復興支援に力を注いでおり、「子供が好きだから」とこの日は宮城県からゴルフ場などを通じて募集した13人をポケットマネーで招待した。ラウンド後は交流の場を設け記念撮影やサイン会を行った。

 13年10月から被災地復興支援のための基金を設立。大会で奪ったバーディー1つに1万円、イーグル1つに2万円を積み立て、シーズン後に自治体などに寄付している。基金の設立から前週の全英オープンまでに積み立てた金額は700万円に上り、関係者は「ゆくゆくは米国でも慈善活動をすべきという話はしている」と明かした。

 24日の第2ラウンドは福島県郡山の子供30人を招待する予定。「しっかり準備して頑張る」。子供たちのヒーローは上位浮上へ気合十分だ。

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