成田が完全V、ボミ猛追振り切り全英女子切符「優勝争いしたい」

[ 2015年6月15日 05:30 ]

完全∨で今季2勝目を挙げた成田はイ・ボミ(手前)と健闘を称え合う

女子ゴルフツアー サントリー・レディース最終日

(6月14日 神戸市 六甲国際ゴルフ倶楽部=6511ヤード、パー72)
 成田美寿々(22=オンワードホールディングス)が3バーディー、1ボギーの70で回り、通算16アンダーで今季2勝目で、通算7勝目を挙げた。イ・ボミ(26=韓国)に1打差に詰め寄られた16番で4メートルのバーディーパットを沈めて、初日からの首位を守って自己初の完全優勝。賞金ランクは14位から5位に上がり、自力で全英リコー女子オープン(7月30日開幕、ターンベリー)の出場権をつかんだ。
【最終R成績】

 ここが勝負どころだと分かっていた。16番パー3、4メートルのバーディーチャンス。成田は「グッドストロークだけしよう」と集中を高めた。15番で1打差に詰め寄ってきたイ・ボミが、同じような位置、距離を外していた。ラインは見えていた。スライスを真ん中から放り込み、右手を真横にグッと突き出した。

 「賞金レースのトップを行くボミさんとの勝負が楽しいと思って、入れた時に鳥肌がブワーっと立ちました。こん身のガッツポーズでした」

 事実上のウイニングパットの前、ティーショットも大きなポイントだった。14、15番はアプローチを寄せてヒヤヒヤのパーセーブ。韓国の美人プロの猛追を受け、重圧からショットが乱れていた。崩れかねない状況で、22歳は腹をくくった。8Iでピンに寄るように積極的に攻め、狙い通りチャンスをつくり出した。

 「16番はティーショットで勇気を持って行けた。パットも褒めたいけど、(勝因は)ティーショットの勇気ですね」

 自己初の初日から首位を守る完全優勝を果たし、父・俊弘さん(60)も「よく耐えた」と、褒めちぎった。今大会終了時点の今季賞金ランク上位5人(有資格者を除く)は、無条件で全英女子オープンの出場権が与えられる。ランク14位の成田が圏内に入るには優勝しかなかったが、その高いハードルをクリア。父は高く評価した。

 「辞退者が出て、繰り下がりで全英女子の権利が降りてきても“私は行かない”と言っていた。優勝しかない状況で勝ったのだから価値がある」

 プロになって4年で通算7勝目を挙げた。ハイペースを支えるのが、惜しみない自己投資だ。これまでに米国の有名コーチにパットの指導を受け、昨季は200万円近くする距離弾道測定器も購入した。今度は大会中の栄養管理、リラックス場所を確保するために、1100万円を支払って、キャンピングカーを手にした。納車はまもなくだ。投資分は今大会の優勝賞金1800万円でしっかり回収。生涯獲得賞金も2億円に到達した。

 「全英女子も(既に権利を持っている)全米女子オープンも予選通過と言わず、優勝争いをしたい」

 日本の新エース候補は、海外での活躍に思いをはせる。夢をかなえるまで、自分磨きは終わらない。

 ▽全英リコー女子オープン出場資格 サントリー・レディース終了時点での今季賞金ランク上位5人が権利を得る。テレサ・ルーは昨年のツアー選手権リコー杯の優勝で既に権利を持っているため、賞金ランク6位の申ジエまでが当確。辞退者が出れば順位が繰り下がる。イ・ボミ、菊地、上田、申ジエは辞退の可能性を示唆しており、7位・笠、8位・飯島、9位・藤田光、10位・渡辺も出場できる可能性がありそうだ。

 【勝者のクラブ】 ▼1W=ヤマハ・インプレスRMXツアーモデル(ロフト角9度、シャフトの長さ46インチ、硬さSX)▼3、5、7W=ロッディオ・フェアウエーウッド▼4UT=ピンG30▼5I~PW=スリクソンZ525▼ウエッジ=クリーブランドCG17(50、56度)▼パター=ヤマダパター・カマクラ▼ボール=スリクソンZスター

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