照ノ富士 天敵圧倒、初の10勝目!白鵬戦へ気合「懸賞何本?」

[ 2015年3月20日 05:30 ]

豊ノ島(右)をきめ出しで破り10勝目を挙げた照ノ富士 

大相撲春場所12日目

(3月19日 大阪・ボディメーカーコロシアム)
 新関脇・照ノ富士が平幕の豊ノ島をきめ出しで下し、自身初の2桁勝利となる10勝目を挙げた。20日の13日目は2差で追う全勝の横綱・白鵬と対戦。白鵬が勝てば34回目の優勝が2場所連続の13日目で決まる。場所を最後まで盛り上げるため、照ノ富士が横綱に立ち向かう。

 新たなモンゴルの怪物は負けパターンになっても冷静だった。照ノ富士は過去1勝3敗と苦手にしている豊ノ島に立ち合いで右を張ろうとしたが空振り。左も差せずに、豊ノ島得意のもろ差しを許してしまった。いつもならここで終わりだ。だが、すぐさま両脇に力を入れて、豊ノ島の両腕を締め上げた。「きまったと思った。一発で持っていこう」。豊ノ島の身動きを封じると、そのまま土俵の外へ運び出した。

 幕内7場所目で初の2桁勝利だ。それも天敵を圧倒して手にしただけに「うれしいですね」と頬は緩みっぱなし。魁聖に負けた前日は腹痛を言い訳にしたが「(取組前に)ちゃんとトイレに行きましたよ」とご機嫌だ。

 新三役の2桁勝利は05年初場所に新小結だった白鵬(11勝4敗)以来となる。13日目は全勝で独走する、その白鵬との対戦。負ければ、そこで白鵬の優勝が決まる注目の一番だ。

 実は今場所「1勝14敗でもいい。横綱に勝ちたい」とターゲットを白鵬に絞っていた。照ノ富士は毎場所、標的を1人決めている。昨年の九州場所は逸ノ城、初場所では稀勢の里。いずれも勝ってきた。「俺は狙った日には絶対勝つ」自信がある。モンゴル時代に白鵬の父・ムンフバトさんに指導を受けていた縁で、白鵬を介して鳥取城北高に入学した。「恩返しできたらいい」。世話になった先輩に成長した姿を見せる上で、これ以上の舞台はない。

 支度部屋を引き揚げる際、ニヤリと笑って報道陣に聞いてきた。「明日の懸賞は何本ですかね?」。懸賞金は21本(手取り63万円)。この男、勝つ気満々だ。

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2015年3月20日のニュース