逸ノ城、真っ向勝負で日馬押し倒し 初金星とは「全然違います」

[ 2015年3月11日 05:30 ]

日馬富士(手前)を攻める逸ノ城

大相撲春場所3日目

(3月10日 大阪・ボディメーカーコロシアム)
 真っ向勝負で、正真正銘の金星だ。平幕・逸ノ城が横綱・日馬富士を押し倒し、左変化から鶴竜を撃破した昨年秋場所13日目に続き2個目の金星を獲得した。白星先行となったモンゴルの怪物は、4日目の横綱・白鵬戦で連続金星を狙う。全勝は白鵬、大関の琴奨菊、豪栄道ら10人となった。

 喝采を浴びて花道を引き揚げた逸ノ城が人なつこい笑みを浮かべた。

 「うれしい。前に出て勝ったんで。横綱の当たりに負けないように思い切りいきました。(初金星とは)全然違います」

 昨年秋場所13日目、鶴竜戦の初金星は左変化からのはたき込み。心底、喜べなかった。今回は真っ向勝負で金星ゲット。「子供の頃にテレビで見た」という館内が沸くシーンを満喫した。

 136キロの軽量ながら鋭い当たりの日馬富士を受け止めた。右喉輪からの引きに落ちず、抱え込んだ。一度はたいてからの突きで土俵際まで吹き飛ばし、最後は体ごと突進して押し倒し。勢い余って自らも転がった。「動きが速いし、押し相撲でやりにくい」といいイメージのなかった横綱を3度目で撃破した。

 お菓子メーカー「おやつカンパニー」のテレビCMに出演し、2月から放送されている。春場所会場から最寄りの「なんば駅」には同社キャラクター「ベイちゃん」の化粧まわしをつけた等身大ポスターが9日から掲出された。“主役”として場所を盛り上げている。

 心強い援軍もいる。かかりつけの柔道整復師・宇山昌克氏が大阪府茨木市で鍼灸(しんきゅう)整骨院を営む。昨年九州場所直前には1泊2日の強行日程で施術を受けたほど厚い信頼を寄せる。大阪入り後は週1、2回通い、先月8日の大相撲トーナメントで痛めた右膝も回復したという。

 4日目は全勝の横綱・白鵬に挑む。過去3度はいずれも完敗したが、今場所前の稽古では右四つから寄り切る場面もあった。「まわしを取れるようにしたい」。正真正銘の横綱撃破で気を良くした怪物が連日の金星ゲットに燃えている。

続きを表示

この記事のフォト

2015年3月11日のニュース