豪栄道 スピード陥落崖っ縁、わずか3場所…理事長「赤信号」

[ 2015年1月22日 05:30 ]

白鵬に突き出しで敗れた豪栄道(左)

大相撲初場所11日目

(1月21日 東京・両国国技館)
 カド番大関の豪栄道が横綱・白鵬に突き出しで敗れ、崖っ縁に追い込まれた。5勝6敗で再び黒星が先行し、昨年名古屋場所後の昇進から在位わずか3場所での陥落の危機がさらに強まった。白鵬は全勝を守り、1差で追っていた日馬富士は碧山に敗れて2敗目を喫した。
【11日目取組結果】

 白鵬キラーは不発だった。白鵬が昨年敗れた9戦のうち、3つの黒星をつけた豪栄道。立ち合いでは鋭く前に出て突っ張り、白鵬を引かせた。はたき込みにも踏ん張って耐えた。「途中までは良かったけれど、いなされた時に体が泳いでしまった」。さらに突き起こされると、土俵を割るしかなかった。

 今場所は立ち合いで鋭く当たり、相手の懐に潜り込む本来の相撲が取れていない。この日の朝稽古では、タックルダミーにラガーマンのように低く突き刺さる立ち合いの確認を15回繰り返した。その立ち合いはまずまずの出来だったが、結果につながらない悪循環。北の湖理事長は「勝ちたい気持ちが強くて、動きになっていない」と精神面の問題を指摘した。

 これで5勝6敗。絶体絶命のピンチだ。昨年の九州場所に続いて負け越しとなれば、関脇に陥落となる。在位2場所の五ツ島(41年夏)、武双山(00年名古屋、後に復帰)に次ぐ史上3番目の在位3場所でのスピード陥落という不名誉な記録もついてくる。12日目の相手は横綱・鶴竜で、大関・琴奨菊との対戦も残している。北の湖理事長は「対戦相手を見たら余裕はないね。(青信号が)点滅していたのが赤信号になった」と厳しい見方を示した。

 ただ数字の上でカド番脱出のチャンスがなくなったわけではない。今場所6敗中5敗は外国出身力士が相手。大関昇進時の口上の「大和魂」を込めた一番を鶴竜相手に見せられれば、望みはつながる。豪栄道は「思いきりやるだけ」と短い言葉に力を込めた。

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