修造氏 錦織の今季を語る(2)全豪Vへ「最高の準備できている」

[ 2015年1月7日 09:28 ]

ブリスベン国際シングルスに向け練習する錦織

 その錦織の今季は一体どんなものになるだろうか。目前に迫った全豪オープンは準優勝した全米以来の4大大会。同じハードコートでもあり“今度こそ”の期待は募る。

 松岡氏 全豪オープンは年始にある4大大会で、波乱が起こりやすいと言われている。年末は各選手ともラケットを置いてテニスから離れるから。4大大会で一番体力の求められる大会でもあり、体力的なトレーニングができていないと崩れてしまう。メンタル面もフレッシュでないといけない。どれだけいい形で休めたかと同時に、一年を戦う準備ができたかどうか。調整が一番のカギを握る。

 圭は例年よりもオフは短かったが、他の選手はアジアでのチーム戦(※)に出た選手も多かった。圭はその間、米国でチャンとの合宿をしっかりやり終えたし、最高の準備ができていると思う。全豪の前哨戦の結果もいいに越したことはないが、一番大事なのは試合をこなすこと。約1カ月試合をしていないので、たくさん実戦練習をしたい。どういうリズムにすればゾーンに入れるのか。それをブリスベンでつかめれば、全豪でいいスタートが切れる。

 昨季の活躍を受け、周囲の期待は膨らみ続ける一方だ。しかし、錦織はそれを重みに感じずに背負って立つことができる選手。松岡氏はそう考えている。

 松岡氏 ハードルが高いのは間違いないが、期待しない方がおかしい。4大大会の優勝候補に圭を挙げない解説者は世界を見回してもゼロ。圭のテニス、若さと勢いに加え、結果も出している。ビッグ4も勝てない相手ではないし、ビッグ4に続くグループの先頭にいるのは圭だ。

 ただし、シーズンを通じてどうなるかは分からない。上昇気流に乗るか、停滞するか、落ちていく危険性だってある。あらゆる可能性があるのがテニスツアー。故障や痛みだけでなく、必ず調子の波も出てくる。そこで圭が新しい壁をぶち破って乗り越えることができるか。それ次第で圭の今後の位置は変わる。

 ※アジア各国を舞台に行われるエキシビションマッチの「インターナショナル・プレミア・リーグ」。男女のトップ選手や引退した選手が参加。男子ではジョコビッチ、フェデラー、A・マリーらも出場している。

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