羽生 連続世界一へ“コンディション最優先”2月四大陸回避

[ 2014年12月26日 06:00 ]

練習で軽快な動きを見せる羽生

 2年連続世界一への道筋が固まった。フィギュアスケートの全日本選手権は26日、来年3月の世界選手権(中国・上海)の代表選考会を兼ねて長野市ビッグハットで開幕する。既に代表入りが決定的な羽生結弦(ゆづる、20=ANA)はコンディションを考慮し、来年2月の四大陸選手権(韓国・ソウル)を回避することが25日、分かった。全日本で3連覇を達成し、十分な調整を経て世界連覇へ突き進む。

 男女通じて日本初の世界選手権連覇へ、プリンスが十分な調整期間を取る。GPファイナル制覇や世界ランク1位、今季自己ベスト世界1位の実績から、羽生は全日本の成績にかかわらず、既に世界切符獲得が決定的。世界選手権前の来年2月には四大陸選手権が韓国・ソウルで行われるが、「(四大陸は)出ない。コンディションのこともあるので」と関係者は明かした。13年は四大陸から世界選手権に臨んだが、今季は大舞台だけに集中する。

 11月8日の中国杯男子フリー直前の6分間練習で中国選手と激突。頭部など5カ所を負傷して拠点のカナダ・トロントに戻る予定を変更し、翌9日に帰国した。同28、29日はNHK杯(大阪)に出場、12月12、13日はファイナルでスペイン・バルセロナに遠征。16日に帰国して国内で全日本に向けて練習してきた。羽生はケガの影響を口にしないが、今も右足首にはテーピングが施されている。万全でない体調に加え、スケジュールが過密だったこともあり、2月は試合に出ずトロントでじっくり調整する方針だ。

 羽生はこの日、全日本の練習に参加して30分汗を流した。得意の4回転トーループや課題の3回転ルッツでミスが目立ったが、「リンクの性格もちょっとずつつかめた」と不安はない。シニアに転向した10年、同じ会場で行われた全日本はSP2位と好発進しながら、フリーで崩れて4位。「(会場の)見た目は全然、変わらない。イメージトレーニングしてきた通り」とした上で、「(4年前の)リベンジとか全く思っていない」と話した。

 今大会には3連覇や自身初の300点超えの期待がかかるが、プリンスに気負いはない。「3連覇について全く意識していない。五輪チャンピオンとか、日本チャンピオンとか、試合には関係ない。今の自分にできることをやりたい」。男子SPは26日、フリーは27日。「いつもの試合よりリラックスしてできている。同期の選手や、今までブロック(地方)大会で戦ってきた選手としゃべる機会もあるし」。自然体で臨む日本一決定戦が、世界一へつながる。

 ▼世界選手権の代表選考 男女とも枠は3で(1)全日本優勝選手は決定(2)全日本2、3位、GPファイナル出場上位2選手の中から総合的に選考(3)上記の選考に漏れた選手、世界ランク日本人上位3人、今季ベストスコアの日本人上位3人から総合的に選考。羽生はファイナル優勝、世界ランク1位、今季ベストスコア世界1位のため代表入りは決定的だ。また、四大陸選手権は全日本10位以内、世界ランクなどから総合的に選考する。

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