城西大・村山 双子兄は駒大エース、雪辱へ闘志「万全で臨める」

[ 2014年12月12日 05:30 ]

駒大のエースで兄の謙太に勝利宣言を行った城西大駅伝部主将の村山紘太

 第91回箱根駅伝(来年1月2、3日)に12年連続12回目の出場となる城西大が11日、埼玉県坂戸市のグラウンドで練習を公開した。主将の村山紘太(4年)の双子の兄は、駒大エースの謙太(4年)。兄には過去あらゆるレースで後塵(こうじん)を拝してきたが、1区で争った11月の全日本大学駅伝は同タイムの2位に最接近。雪辱に燃える弟が、大学ラストランで学生最速ランナーの兄を打ち負かす。

 兄の背中は、もう手の届くところにある。花の2区で兄・謙太との直接対決が濃厚な村山は「万全で臨める。今まではまともな走りができなかったので、最後は自分の名前を残せる走りをしたい」と堂々と宣言した。

 1年で1区5位と健闘したが、2年は2区15位、3年も2区18位と不発。貧血や座骨神経痛など故障の影響もあり、最終学年の今季は故障しない体づくりに注力した。体幹を鍛え、貧血には鉄分を含むサプリメントを取り入れて対処。「体の状態が安定したことで、結果も安定してきた」と大きな手応えを得ている。

 世間では「村山兄弟」と称されるが、強豪・駒大のエースで2月の丸亀国際ハーフマラソンで1時間0分50秒の日本歴代3位を記録した兄にはほとんど「勝ったことがない」。ただ一度、競り合いを制した12年5月の日本ジュニア選手権の5000メートルは兄に「残り100メートルで譲ってもらった」と振り返り「勝った」という感覚はないという。偉大な兄がいるからこそ負けじと努力を重ねた。

 それでもここ一年は全日本インカレで1500メートルに出場するなどのスピード練習を取り入れ、力を付けた。全日本大学駅伝は1区で直接対決。同時に中継所に入ったが、公式記録ではタスキを先に渡した兄が区間賞となった。ただ、櫛部監督は「体がリレーゾーンに先に入った方が本来区間賞。ビデオを見ると村山の方が先だった」と話す。レース5日前に発熱するなど体調も万全ではなかった中での「同着」。村山も「今は同じどころか、超えているんじゃないかと思う」。大学最後の“兄弟ゲンカ”でそれを証明してみせる。

 ▽全日本大学駅伝での村山兄弟の直接対決 1区(14.6キロ)で対決。大東大の市田孝(4年)と3人で先頭集団を引っ張る形となったが中継所前は村山兄弟のスパート対決に。最後まで並走してリレーゾーンに飛び込んだが、2区走者とクロスする形となり、先に手を伸ばしてタスキリレーをした兄・謙太が区間賞を獲得。村山は同タイムながら区間2位扱いに。

 ◆村山 紘太(むらやま・こうた)1993年(平5)2月23日、仙台市生まれの21歳。明成高から11年4月に城西大入学。昨年の箱根予選会で日本人1位。今年は全日本選手権の5000メートルで2位、9月の仁川アジア大会では同種目で日本人トップの5位入賞。今年の箱根予選会でも日本人1位だった。1万メートルの自己記録は28分42秒09。1メートル74、53キロ。

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2014年12月12日のニュース