逸ノ城 堂々の4強!初対決の和製ホープ遠藤を相手にせず

[ 2014年10月7日 05:30 ]

逸ノ城(右)は初対決の遠藤を寄り切りで下す

全日本力士選手権

(10月6日 両国国技館)
 大相撲の第73回全日本力士選士権が6日、両国国技館でトーナメント形式で行われ、秋場所で新入幕ながら13勝を挙げた逸ノ城(21=湊部屋)が4強入りを果たした。1回戦ではライバル視していた幕内・遠藤を寄り切って完勝。準決勝で貴ノ岩に敗れたが、日本最古の大相撲トーナメントでも“怪物”が存在感を示した。決勝は鶴竜が貴ノ岩を下手出し投げで退け、初優勝を飾った。

 モンゴルの怪物と和製ホープによる初対戦は、前者に軍配が上がった。注目の1回戦。逸ノ城は遠藤に対して得意の右を差すと力強く寄り切り。大活躍した秋場所後には和製ホープについて「強いっていうイメージがあったので自分の力を試してみたい」と対決を熱望していた。だが、実際に胸を合わせて完勝した取組後に印象を問われると「特に何も」と関心なしを強調。「(遠藤は)格好いいんじゃないですか。自分は格好よくない」と以前は敗北を認めていた“見た目”についても「格好いいなんて言ってないですよ」と前言を撤回した。

 双葉山も4度制したことのある日本最古の大相撲トーナメントを見るために国技館に集まった相撲ファンからは「やっぱり逸ノ城の方が強いわ。遠藤より」という声も。本場所とは全く意味合いが違う花相撲とはいえ、結果でも存在感でも2歳年上に勝利。その後も秋場所で敗れた勢を2回戦で、元小結の千代鳳を準々決勝で破り4強に進出。準決勝は3歳年上で同じ鳥取城北高出身の貴ノ岩に敗れ「先輩は強い」と話したが「アマの時にトーナメントをやっていたので変わったことはない」と相変わらずの強心臓ぶりを発揮した。

 秋場所後はテレビ出演などで忙しい日々を過ごしたが「きのうアホみたいに寝た。夜12時から昼の2時まで」と疲労も回復。三役昇進が濃厚の11月の九州場所に向けて、この日から朝稽古も再開した。師匠の湊親方(元幕内・湊富士)からは自分の型をつくりやすくするため、立ち合いで先に付く手を左から右に変えるように指導もあった。「師匠から教えてもらいました。立ち合いを磨きたい」。新たな技術の習得にも余念のない怪物が九州でも大暴れの予感だ。

続きを表示

この記事のフォト

2014年10月7日のニュース