旭天鵬 40歳連勝!60年ぶり不惑の幕内 敬老の日○に笑顔

[ 2014年9月16日 05:30 ]

<秋場所2日目>鏡桜(左)を寄り切りで破った旭天鵬

大相撲秋場所2日目

(9月15日 東京・両国国技館)
 13日に40歳の誕生日を迎えた旭天鵬が「敬老の日」に鏡桜を寄り切り、初日から2連勝を飾った。60年ぶりに40歳で幕内を務める大ベテランの次なる目標は、1941年夏場所の藤ノ里以来となる40代での幕内勝ち越し。誰よりも明るい性格で友綱部屋を引っ張る不惑力士が、新たな伝説を築く気配を漂わせている。3横綱は初日から2日続けて安泰。また、稀勢の里が初黒星を喫し、大関陣に全勝はいなくなった。
【2日目取組結果】

 角界のレジェンドにとって40歳は通過点に過ぎない。初日前日に不惑を迎えた旭天鵬は14歳年下の鏡桜を得意の右四つからの攻めで圧倒し、2連勝。「敬老の日に勝てて良かった。家に帰ったら誰か花を贈ってくれている人はいないかな?そういうユニークな人がいてもいいよ」。平成生まれの力士が続々と幕内で台頭してきた中で、自らは昭和49年に生まれた23年目の大ベテラン。あっさりと“おじいちゃんキャラ”と認めてしまう、その柔軟な思考回路こそが長く現役を務められる秘けつなのかもしれない。

 40代の幕内力士は54年秋場所の名寄岩(1914年=大3=生まれ)以来60年ぶりで、年6場所制となった58年以降では史上初。次なる目標は「8つ勝ちたい」と藤ノ里(1901年=明34=生まれ)以来73年ぶりの40代幕内勝ち越しだ。その藤ノ里はすっかり頭が薄くなった41歳まで現役を続けて力士仲間からは「藤ノ里老」と呼ばれていたというが、旭天鵬の場合は同じ友綱部屋の魁聖(27)から「化け物」と呼ばれるほど見た目もまだまだ若々しい。

 友綱部屋には魁聖の他にも旭秀鵬(26)、旭日松(25)、旭大星(24)という若手関取が所属。12年夏場所に自身が最年長初優勝した際、その3人全員が花道で号泣したほど慕われており、若手と常に一緒に行動することで“おじさん化”を防止している。プロ顔負けの腕前のゴルフでもカートには乗らずに歩く。若さの秘けつについて本人は「食べたい時に食べ、飲みたい時に飲む」と話すが、何よりも稽古を絶対にサボらない真面目さこそがレジェンドをつくり上げた最大の理由。「“42歳まで”とか考えると疲れちゃう。まずは今場所の勝ち越しです」。明るく笑うその表情からマゲを切った姿は想像できない。

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