入江 あと5メートルで2冠ならず、男子200背は笑顔なき銀

[ 2014年8月24日 05:30 ]

男子200メートル背泳ぎでクレアリー(右)に敗れた入江

水泳パンパシフィック選手権第3日

(8月23日 オーストラリア・ゴールドコースト)
 男子200メートル背泳ぎで入江陵介(24=イトマン東進)が100メートルに続く頂点を狙ったが、1分55秒14で銀メダルに終わった。萩野公介(20=東洋大)は1分59秒86で8位。同400メートル自由形では3分44秒56で銀メダルだった。同100メートルバタフライでは初代表の池端宏文(22=法大)が52秒50で銅メダルを獲得した。女子400メートルリレーで日本は3分39秒06で3大会ぶりの銅メダル。大会初日から続いた日本の連続金メダルは途切れた。

 残り5メートルで金メダルが消えた。入江は前半から飛ばしレースを引っ張ったが、残り25メートルでロンドン五輪銀のクレアリーに並ばれると、最後の5メートルでかわされた。タッチ後はぼうぜん。2冠を逃し「これが現状」とうなだれた。

 予想外のスローペースに苦しんだ。「横(の選手)が遅かったので、ペースが分からなかった」。後半が持ち味の入江だが、自分のレースを見失った。ラストの伸びを欠き、タイムも予選から落として1分55秒14。「タイムも順位も良くなかった。反省点ばかり。悔しい気持ちしかない」と唇をかんだ。

 ただ、収穫もある。課題のバサロキックは完璧だった。昨年9月に椎間板ヘルニアを患い、腰に負担がかかるバサロを禁止された。その期間は体幹の強化に費やした。練習を積めなかったこともあり、潜りを浅く修正したが、体力アップもあって潜っている時間は長くなった。この日も海外勢に引けを取らないバサロで、世界に通用することを証明した。

 気持ちも折れていない。「(負けたのが)今年で良かったと思えるように、来年、再来年につながるようにしたい」とキッパリ。萩野や瀬戸ら年下の選手らの活躍にも、「まだまだ負けていられない」とプライドをのぞかせる。今季は200メートル個人メドレーにも取り組み、6月のジャパン・オープンでは萩野、瀬戸が不在ながら優勝もした。「気分転換にもなるし、背泳ぎとは違う筋肉を使うのでトレーニングにもなる」と効果を実感しており、24日には200メートル個人メドレーに出場。そして、400メートルメドレーリレーに出場する。

 「悔しさという金メダルをもらった。もう一度100メートルがあるので自信を持って帰りたい」。目指すはメドレーリレーでの金メダルだ。

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2014年8月24日のニュース