みき緊急帰国…右膝重傷、メダル候補ソチに暗雲も

[ 2013年12月12日 05:30 ]

11月26日には笑顔でフィンランドに出発した伊藤みき

 フリースタイルスキー・モーグル女子の伊藤みき(26=北野建設)が11日、遠征先のフィンランドから成田空港に緊急帰国した。14日にフィンランド・ルカで行われるW杯開幕戦に向けた調整中に右膝を負傷し、国内で精密検査を受けることになった。ケガの程度は検査の結果を待つことになるが、空港では車いすで移動するほどの状態。メダル候補として期待されるソチ五輪(来年2月7日開幕)の出場にも暗雲が漂うアクシデントとなった。

 空港職員が押す車いすに乗り、痛めた右膝にはがっちりとした黒いサポーター。2カ月後に五輪を控えているアスリートとは思えない痛々しい姿だった。伊藤は飛行機を降りても自力では歩けず、車いすのままで出口へと向かった。

 同便にはクロアチア・ザグレブでの試合を終えたフィギュアスケートの安藤美姫が偶然にも乗り合わせていた。中京大時代の同級生で仲がいいだけに、ターミナル内では談笑する場面も見られた。しかし、伊藤は出迎えにきたマネジメント事務所の車に乗り込むのもやっとの様子。「これから検査に行くので、まだ全然分かりません」と気丈な笑顔を見せたが、さすがに普段のはつらつさはなかった。

 伊藤は、上村愛子らとともに日本代表として先月26日にフィンランドに出発した。W杯開幕戦に向けた7日の練習中に転倒して右膝を負傷。現地の病院で応急処置を受けて「飛行機に乗るのは問題ない」と診断され、精密検査を受けるためにすぐに帰国を決めた。

 出発前には「五輪シーズンなので目の前のW杯一つ一つで力を発揮できるようにしたい。シーズンの流れの中で金メダルを獲っていきたい」と語っていたが、開幕戦の欠場が決まり、青写真は修正を余儀なくされる。滑れる状態まで回復すれば伊藤の代表入りは間違いない。ただし、ケガの程度によっては五輪出場そのものも危うくなる。あと2カ月。決して長い時間ではない。

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2013年12月12日のニュース