IOC選挙、仲裁裁判所 室伏選手の訴え却下

[ 2013年5月22日 18:12 ]

 昨年のロンドン五輪で行われた国際オリンピック委員会(IOC)選手委員選挙で、陸上男子ハンマー投げの室伏広治選手(38)=ミズノ=の当選が無効とされた問題で、スポーツ仲裁裁判所(CAS)は22日、選挙規定違反はなかったとする同選手と日本オリンピック委員会(JOC)の訴えを却下した。

 CASは発表文で「JOCが規定を順守しなかった。室伏選手の信用とスポーツマンシップは傷つかない」と説明した。

 JOCの竹田恒和会長は「CASに付託した以上、裁定を尊重する」とのコメントを発表。IOCは裁定を歓迎する声明で2020年夏季五輪招致にも触れ「東京の招致とは関係ない」と今後の影響を否定した。

 室伏選手は選挙で当選に必要な票数を獲得したが、自身の名前入りグッズを配布したことや、選挙活動を禁じた食堂での行動が問題視された。JOCが日本選手団に配った投票手順書に、同選手への投票を指示する記述があったことも発覚し、IOCは候補者資格を取り消した。

 室伏選手とJOCはこれを不服として、昨年9月に提訴した。JOCがCASに係争を持ち込んだのは初めてだった。CASは4月10、11日に聴聞会を開き、双方の代理人や室伏選手の主張を聞いた。

 選手委員会は五輪の運営に選手の意見を反映させるための組織で、当選すればIOC委員にも就任する。選挙には21人が立候補して4人が当選した。選挙違反で当選を無効とされたテコンドー男子の朱木炎選手(台湾)もCASに提訴したが、却下された。

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2013年5月22日のニュース