元蒼国来は幕内付け出し 番付に載らず最下位格で再出発

[ 2013年3月28日 02:00 ]

 大相撲八百長問題をめぐる地位確認訴訟で解雇無効の判決が出て、現役復帰が確実な元幕内蒼国来=本名恩和図布新、中国出身=について、日本相撲協会は夏場所(5月12日初日・両国国技館)の地位を「幕内最下位格付け出し」とする方向であることが27日、協会関係者の話で分かった。元蒼国来は早期復帰を熱望しており、夏場所から土俵に戻れる条件が整ったことになる。

 相撲協会が同日に大阪市内で開いた夏場所番付編成会議で元蒼国来は編成の対象外だった。新番付は24日終了の春場所の成績に基づいて決めたため、蒼国来のしこ名は載らず、相撲協会の規定にもない異例の措置を取るとみられる。新番付は4月25日に発表される。

 付け出しとして出場する場合は夏場所初日の2日前に行われる取組編成会議で取組が組まれ、夏場所に出なければ休場扱いで翌場所は十両に転落することになる。

 関係者によると、相撲協会は4月3日の臨時理事会で控訴断念を正式決定し、4日にも北の湖理事長(元横綱)が元蒼国来の師匠だった荒汐親方(元小結大豊)と本人を交え、復帰後の処遇などを協議する意向という。

 八百長問題で2011年春場所の中止が決まった後、同年2月に「順席」として発表された序列で、元蒼国来は西前頭15枚目だった。その後、解雇処分となったため、5月の技量審査場所直前にしこ名が削除された。

 引退などで一度離れたら二度と戻れないのが相撲界の原則だが、相撲協会広報部によると過去に多数の例が存在。1950年代半ばまで、復帰の際の地位は1段格下げの「付け出し」が通例だったとする資料もある。

続きを表示

2013年3月28日のニュース