番付に「蒼国来」載らず 過去は格下げで復帰

[ 2013年3月27日 20:44 ]

 日本相撲協会は27日、大阪市内で大相撲夏場所(5月12日初日・両国国技館)の番付編成会議を開き、八百長問題をめぐる地位確認訴訟で解雇無効判決が出た元幕内蒼国来=本名恩和図布新、中国出身=は編成の対象外だった。新番付は24日終了の春場所の成績に基づいて決めたため、蒼国来のしこ名は載らない。

 関係者によると、相撲協会は4月3日の臨時理事会で控訴断念を正式決定し、元蒼国来の番付上の取り扱いも話し合う。

 八百長問題で2011年春場所の中止が決まった後、同年2月に「順席」として発表された序列で、元蒼国来は西前頭15枚目だった。その後、解雇処分となったため、5月の技量審査場所直前にしこ名が削除された。

 引退などで一度離れたら二度と戻れないのが相撲界の原則だが、相撲協会広報部によると過去に多数の例が存在。1950年代半ばまで、復帰の際の地位は1段格下げの「付け出し」が通例だったとする資料もある。元蒼国来の場合は判決に基づく前代未聞のケースで、扱いが注目される。

 番付を編成する審判部の伊勢ケ浜部長(元横綱旭富士)は会議後、元蒼国来の扱いについて「今の段階では答えようがない」と話した。新番付は4月25日に発表する。

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2013年3月27日のニュース