豪栄道 稀勢討ち6連勝 同級生・妙義台頭にメラッ

[ 2012年11月17日 06:00 ]

豪栄道(左)が寄り倒しで稀勢の里を破る

大相撲九州場所6日目

(11月16日 福岡国際センター)
 関脇・豪栄道が大関・稀勢の里を寄り倒し、初日から無傷の6連勝を飾った。高校時代の同級生で同じ境川部屋に所属する“ライバル”妙義龍の台頭、活躍に刺激されて奮起。ケガを完治させて順調に稽古を重ねた26歳が次期大関候補に再び名乗りを上げた。横綱・白鵬も松鳳山をはたき込み、全勝をキープ。1敗は平幕5人を含む8人。
【取組結果】

 大関を倒して無敗を守ったというのに、豪栄道の表情に笑みはなかった。まるで当たり前のことと言わんばかりに「いい動きはしてるんじゃないですかね。あんまり浮かれないようにしたい」と無表情で振り返った。

 スピード、力、技術をミックスさせた相撲で稀勢の里に完勝。「食いつくのが狙いだった」と相手に押されても稽古で鍛えた足腰で粘った。土俵際で回り込んだ後、タイミングをうかがって深く左を差し、即座に右は前まわし。あとは一気に寄り倒し、前頭5枚目だった08年秋場所以来の初日から6連勝を飾った。

 埼玉栄高時代の同級生で同部屋の妙義龍に、成績でも番付でも抜かれたことが発奮材料になっている。大学に進学した妙義龍に対し、豪栄道は高校を卒業後にプロ入り。同世代のなかでは常に出世争いの先頭を走ってきた。しかし、今年に入って左肘手術や左脇腹骨折などで足踏み。その間に妙義龍に一気に東の関脇の座を奪われ、先場所はライバルに先に三役での10勝を挙げられた。師匠の境川親方(元小結・両国)が「妙義龍に食らいつきたいというのがあるのだろう」と言えば、2人を埼玉栄で指導した山田道紀監督は「妙義龍が活躍して闘志に火がついた」と分析。負けん気の強い大阪人が燃えないはずがなかった。

 三役は今場所で9場所目。幕内在位30場所は上から数えて19番目の“中堅どころ”となった。「まずは2桁勝たないと。それを続けないと上は見えてこない」。ライバルよりも先に大関の座をつかむため、快進撃を止めるわけにはいかない。

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2012年11月17日のニュース