美余・中部電力が日本代表!マリリン北見LS負けた

[ 2012年10月27日 06:00 ]

<中部電力・北見LS>試合中に笑みを浮かべる中部電力・市川

パシフィック・アジア選手権日本代表決定戦最終日

(10月26日 札幌市・どうぎんカーリングスタジアム)
 1勝1敗で迎えた5回戦制の女子決勝は市川美余主将(23)率いる中部電力が、本橋麻里(26=NTTLS)のロコ・ソラーレ(LS)北見に連勝し、通算成績を3勝1敗とし、来月16日にニュージーランドで開幕するパシフィック・アジア選手権(PACC)代表に決まった。この日は2試合とも相手ギブアップによる完勝。日本代表として成長した姿をアピールし、14年ソチ五輪出場へ夢をつなぐ。

 最後は本橋が差し出した手を、市川が笑顔で握り返した。中部電力の2勝1敗で迎えた、決勝第4戦目。同点で迎えた第9エンドに2点を勝ち越し、最終エンドは正確なショットで逆襲を封じた。チーム最年長の市川主将は「(LS北見、チーム青森と)五輪出場経験のある選手が所属しているチームに勝った責任がある。(PACCでは)みんなの思いを背負いながら、戦いたい」と表情を引き締めた。

 悪夢を成長の糧とした。11年の全日本選手権で優勝し、初めて日本代表となった昨年11月のPACC。1次リーグで連敗し、リズムを崩した。結果は、2位以内に与えられる世界選手権の出場権を逃しただけでなく、4チーム中最下位。スキップ藤沢は「迷って、自信を失ってしまい、メンタル面の弱さを感じた」と反省した。

 だが、指導する長岡はと美コーチは「成長のためのいい敗戦だった」と振り返る。仕事とカーリングだけに集中してきた20代前半の選手に、基本的な生活習慣から変えることを指導したという。早寝早起きの習慣や、家事への参加、周囲への感謝。「忍耐力や集中力は、日常生活でも鍛えられる」。決勝1回戦で黒星発進しながらも、切り替えて3連勝した結果が、その成果を証明していた。

 昨季の世界選手権切符を逃したことで、ソチへの道は厳しくなったことは事実。だが、市川は言う。「結成時から五輪が目標だった。自分たちで一歩進むチャンスをつかんだし、それを大事にしたい」。大きな重圧を背負う覚悟を決めた5人の若き日本女王は今、その重圧を背負う資質も手にしている。

 ≪ロンドンから刺激≫5人の選手は今夏のロンドン五輪の日本選手団の活躍にも刺激を受けたという。市川は「競泳の(男子メドレー)リレーで“(北島)康介さんのために”と言ってたけど、みんなのために戦うことが力になるんだろう」と話し「中部電力としてだけでなく、国として応援されるのはどんな気持ちなんだろうと思った」と五輪への憧れを口にしていた。

 ▼カーリングのソチ五輪出場への道 出場枠は男女とも10カ国・地域。12、13年の世界選手権の順位を得点化し、開催国のロシアを除く上位7チームが出場権を獲得する。残る2枠は13年12月に予定される世界最終予選で決まるが、同予選出場は11、12、13年いずれかの世界選手権に出場していることが条件。日本は11、12年と男女ともに世界選手権出場を逃しているため、来月16日からのパシフィック・アジア選手権で上位2カ国に与えられる世界選手権出場権を逃すと、ソチ五輪出場が消滅する。

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