横綱日馬 決意新た!化粧まわしに「天」「地」「仁」

[ 2012年9月26日 06:00 ]

綱作りを見学した日馬富士(中央)は麻を手にとってにおいをかぐ

 日本相撲協会は26日に九州場所(11月11日初日、福岡国際センター)の番付編成会議と理事会を開き、大関・日馬富士(28=伊勢ケ浜部屋)の横綱昇進を正式に決める。日馬富士の有力後援者は、新横綱として迎える九州場所から、土俵入りで使用する三つぞろえの化粧まわしに「天」「地」「仁」の3文字が描かれることを明言。第70代横綱は、新たな決意で相撲道に精進することになった。

 第70代横綱が本場所で使用する三つぞろえの化粧まわしのデザインが決まった。日馬富士が“日本の父”と慕う伊勢ケ浜部屋神奈川後援会の小巻公平会長(69)=ジャパンニューアルファ会長=はこの日、「本人と相談して天、地、仁の3文字を入れることになった」と明かした。28日に明治神宮で行う横綱土俵入り初披露は師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)が現役時につけたものを借りるが、新横綱場所となる九州場所からは本人仕様で臨む。

 3文字には特別な思いが込められている。日馬富士は大好きなウオツカを飲む際に、必ず「天」と「地」の神様に向かって感謝の意を示し、そして最後に自らの額にグラスを当ててから口に注ぐ。小巻会長は間近でそのシーンを何度も見ており「感謝を表す“天”と“地”を太刀持ちと露払いが着け、思いやりのある日馬富士の人となりを表す“仁”を本人が着ける」と説明。3文字のバックのデザインは近日中に決める予定だ。

 横綱昇進の正式発表を翌日に控えた日馬富士は、東京都江東区の伊勢ケ浜部屋を訪れたが、終始落ち着かない様子。「まだ夢の中を飛んでいる。本当に大変なことを成し遂げたなと思う。もうパニックになっている」と複雑な心境を吐露。伝達式での口上については、前夜(24日)に師匠の伊勢ケ浜親方、おかみさんと3人でワインを飲みながら考え、既に2、3回予行演習をしたという。内容については明かさなかったが「好きな言葉だし、それが僕らしい言葉だ」と4年前の大関昇進時に使用した「全身全霊」を再び述べることを明言。関係者によると、周囲が聞いてすぐに理解できるようなシンプルな口上になるという。恩人から贈られた「天」「地」「仁」を心に刻み日馬富士が横綱人生をスタートさせる。

 ▽3文字の三つぞろえ 昭和の大横綱の大鵬や平成の大横綱の貴乃花は「心・技・体」を用いた。大乃国は「天・地・人」の三つぞろえを使用し、「地」を締めていた。白鵬がしこ名の「白・鵬・翔」と使ったものを締めて土俵入り。ほかにも「蒼・心・鳳」というものも使用している。蒼は「強さ」、心は「心技体」、鳳は「大きく羽ばたく不知火型」を意味するという。

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2012年9月26日のニュース