琴奨菊 白鵬撃破!魁皇後継大関へ前進!

[ 2011年7月21日 06:00 ]

<大相撲名古屋場所・11日目>笑顔で引き揚げる琴奨菊

大相撲名古屋場所11日目

(7月20日 愛知県体育館)
 引退した郷土の名大関から飛ばされたゲキに琴奨菊が奮い立った。全ては立ち合いで決まった。

 鋭く踏み込むと、白鵬の右脇に集中し、左をねじ込んだ。師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇・琴ノ若)でさえ「ビックリした」という絶好の展開。先に右上手を奪って横綱にプレッシャーをかけ、何度もガブり土俵際へ追い込んだ。これまでの対戦成績は1勝26敗。07年九州場所で初めて勝って以来19連敗中だった“大きな壁”を越えた。

 支度部屋では興奮で息を荒くしつつ「よかった~。あ~うれしいわ~」と目尻を下げ、「勝つにはあの形(左四つ)しかないと腹を決めていた」と息を吐いた。

 先輩大関からの見えない後押しが体を突き動かした。土俵下の控えで出番を待つ間、魁皇の引退による隠岐の海の不戦勝が告げられると、館内に期せずして“魁皇コール”が沸き起こった。後継者と期待される大関候補は土俵上にいない先輩の人気、存在の大きさをあらためて痛感。「ここで自分が頑張らんとイカン」と自らを鼓舞した。

 昇進に必要な12勝には残り4日間で3勝しなければならない。だが、全勝の横綱に土をつけたことで、琴光喜以来4年ぶりとなる日本人新大関誕生が現実味を帯びてきた。「魁皇関に近づけるよう頑張ります」。横綱撃破で自信を深めた琴奨菊が、自ら“怪力大関”の後継者に名乗りを上げた。

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2011年7月21日のニュース