15歳羽生「絶対跳んでやる」 初挑戦で4回転に成功

[ 2010年10月24日 17:44 ]

男子で4位になった羽生結弦のフリー

 【NHK杯】演技に入る前、羽生はリンクの中央で十字を切った。祈りのしぐさではない。ジャンプの回転軸と両肩を平行に保つ意識を確認する自己流のおまじないだという。

 曲がかかると170センチ、53キロの細い体がしなやかに舞った。大会では初挑戦だった冒頭の4回転トーループは「絶対跳んでやる」という強い意志と柔らかな着氷で見事に成功。続くトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)もピタリと決め、一気に観客を引き込んだ。
 課題はジュニア時代より30秒長いプログラムの後半。弦楽器が速いテンポを奏でる中、体力が持たずジャンプにミスが出た。それでも「思った以上に得点が出た」と切れ長の目をさらに細め、充実感に浸った。
 緊張に打ち勝つため、会場入りするバスの中から「飽きるほど」曲を聞き、イメージトレーニングを繰り返した。表彰台は逃したが、GPシリーズのデビュー戦としては上々の滑り出しだ。
 女子で3位に入った村上(愛知・中京大中京高)と同じ15歳。柔軟性を最大の武器に昨季、ジュニアで世界一に輝いた。日本男子に、新たなタイプのスケーターが加わった。

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2010年10月24日のニュース