バテた高橋大輔「すごい評価をしていただいた」

[ 2010年10月24日 14:42 ]

男子フリーの演技を終え、笑顔を見せる高橋大輔

 降り注ぐ拍手の嵐が、すべてを物語った。高橋が他を圧倒する滑りで3シーズンぶりのGP優勝。「ミスしてしまったけど、優勝できたことはうれしい。すごい評価をいただいた」。今大会を見渡す限り、日本が誇る24歳の世界王者に敵はいなかった。

 右ひざの大けがから復帰した昨季は一度も成功がなかった4回転トーループを、3週間前のジャパン・オープンに続いて出だしで決めた。これで一気に観客の心をつかむと、アルゼンチンのタンゴに乗ったダイナミックな演技で魅了。スタミナが切れた終盤はジャンプのミスが続いたが、表現力を示す演技点では5項目中4項目でただ一人の8点台。2位以下を大きく引き離し、笑顔で大声援に応えた。
 靱帯を断裂した右ひざの手術から約1年半がたち、ほぼ回復したこの夏、「頭から足までの反応が速くなった」という。ジャンプやスピン、ステップを昨季までの感覚で行うとずれが生じるため、今は自分で制御しながらベストの感覚を模索している状態だ。
 来年3月の世界選手権(東京)で2連覇できるかどうかが最大の焦点となるシーズンは始まったばかり。「まだまだ自分のしたい演技じゃない。どんどん素晴らしいプログラムになる」と約5カ月先の“勝負”に向けて約束した。

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2010年10月24日のニュース