“崖っぷち”法大 もモールで今季初勝利

[ 2010年10月11日 06:00 ]

<法大・拓大>後半19分、法大・岡本が中央にトライを決める

 関東大学ラグビーは10日、秩父宮などで行われ、リーグ戦グループの法大は拓大に36―26で逆転勝ちし、今季初勝利を挙げた。昨季下位チームに開幕2連敗し、19年ぶりの大学選手権不出場のピンチだったが、復活の足がかりをつかんだ。東海大、関東学院大、流通経大はともに3連勝。対抗戦グループの明大は成蹊大に111―0の圧勝。明大の100点ゲームは03年度の青学大戦(118―0)以来、7年ぶりだった。

 ランニングラグビーを伝統とする法大がモールで苦境を脱した。開始2分から3連続トライを許した前半28分、ラインアウトからモールを22メートルも押した。「使えると判断した」と山森主将。後半9分の勝ち越しまで計4トライをモールで奪う徹底攻撃で逆転勝ちした。
 最上級生7人が抜けた名門は早くも崖っ縁だった。中大、日大に連敗。強豪校との対戦を残し、91年度以来19年ぶりの大学選手権不出場がささやかれた。「負けてチームにまとまりがないと気付いた」。山森主将を中心に生活から改善した。
 同点、勝ち越しトライのフランカー武者は「負けられないプライドがあった」と話す。伝統のバックス攻撃に加わったモールのオプション。「意思統一はできた。前を向いてやるしかない」。苦境だからこそ、主将の言葉に真実味がこもった。

 <関東学院大 渡辺昌が収穫>序盤、中大に0―6とリードを許す展開に、関東学院大・桜井監督は「ラグビーに対するまじめさ、一生懸命さがなかった」と厳しく振り返った。開幕から一体感を欠く試合が続くが、収穫は60メートル独走など後半だけで3トライを挙げたWTB渡辺。1、2年時はケガに泣いたが、春から体づくりをしてきた今季は、3試合ほぼフル出場で計4トライ。俊足WTBは「大学初なので1試合3トライはかなりうれしい。ずっと出たい」と意欲的だ。

 <明大「完ぺき」111点>100得点を突破して迎えた後半ロスタイム。紫紺のジャージーはさらに攻め続けてトライを奪った。無失点だった防御と合わせ、大差がついても全く緩みなし。吉田監督は「明治のラグビーをやり抜いた。楽なプレーでトライを取ろうとしなかったのがいい。完ぺきに叩きのめした」と絶賛した。No・8の杉本主将も「イージーミスがなかったし、内容は満足。いい雰囲気で来ている」と充実した表情だった。

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2010年10月11日のニュース