暴力団問題で厳罰!木瀬部屋消滅

[ 2010年5月28日 06:00 ]

日本相撲協会理事会の処分を受け、厳しい表情で帰路につく木瀬親方

 日本相撲協会は27日、東京・両国国技館で理事会を開き、過去の名古屋場所で暴力団関係者に転売禁止の維持員席を手配した木瀬親方(40=元幕内・肥後ノ海)を委員から年寄へ2階級の降格処分とした。これに伴い、角界第2位の27力士を抱える木瀬部屋は出羽海一門の「預かり」となり、事実上の閉鎖に追い込まれた。また、木瀬親方からチケット確保を依頼された清見潟親方(64=元幕内・大竜川)はけん責処分となった。なお、週刊新潮に野球賭博疑惑を報じられた大関・琴光喜(34)は理事会で事情聴取を受けたが、処分はなかった。

 午後1時から始まった理事会では、呼び出された木瀬、清見潟の両親方が一連の問題について事情を説明。ともに「チケットが暴力団関係者に渡ることは一切知らなかった」と弁明した。しかし、相撲協会が暴力団などの反社会的勢力の排除に動いている中での問題発覚だけに、元警視庁総監の吉野準監事ら外部役員からは解雇を求める強硬な意見も出た。会議は2時間20分にも及び、木瀬親方は2階級降格、清見潟親方にはけん責処分が言い渡され、木瀬部屋は出羽海一門の預かり処分となった。不祥事で部屋が閉鎖となる異例の事態に、木瀬親方は「身に覚えのないことだが、処分されたのはしようがない。若い衆が相撲を取れる環境をつくってほしい」と沈痛な表情。武蔵川理事長(元横綱・三重ノ海)は「多くの大相撲ファンにご迷惑とご心配をかけ、心からおわび申し上げる」と頭を下げた。

 2親方の処分に差が出たことについて、陸奥広報部長(元大関・霧島)は「木瀬親方は以前から(暴力団と)かかわってきたと判断した。何年もチケットを渡していたわけですから、分からなかったというのでは済まされない」と説明。協会の中では木瀬親方に黒い交際の噂は絶えなかったという声も多く、外部理事の村山弘義氏も「木瀬親方は(部屋持ち)親方として適格性に欠けるので、部屋を一門預かりになった」と話した。

 相撲協会広報部によると、協会の処分で部屋が一門預かりとなるのは戦後初のケース。本来ならかつての師匠・三保ケ関部屋への転籍が本筋だが、関係者によると木瀬親方が三保ケ関部屋への転籍を拒否し一門預かりという異例の処分になったという。移籍先は武蔵川、北の湖、出羽海部屋などが有力視されているが、武蔵川理事長は「弟子の希望もあるし、本人が何か言ってくるだろう」と話した。

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2010年5月28日のニュース