逆転劇の代償大きく…伊達 痛々しくストレート負け

[ 2010年5月28日 00:05 ]

女子シングルス2回戦でジャーミラ・グロートと対戦、厳しい表情を見せるクルム伊達公子

 テニスの全仏オープン第5日は27日、パリのローランギャロスで行われ、女子シングルス2回戦で、世界ランキング72位で39歳のクルム伊達公子(エステティックTBC)は、同107位で23歳のジャーミラ・グロート(オーストラリア)に0―6、3―6で敗れた。クルム伊達は25日の1回戦で第9シードのディナラ・サフィナ(ロシア)を下して四大大会14年ぶりの勝利を挙げたが、この日は右脚の負傷の影響で動きが鈍かった。試合は降雨のため予定より4時間半以上遅れて始まった。

 晴れの舞台に立つ喜びと興奮も、万全でない右脚をカバーできなかった。1回戦で過去2大会連続準優勝の強敵サフィナを撃破したクルム伊達だったが、2回戦では格下のグロート相手に体が動かず、痛々しいプレーでストレート負けした。
 雨で開始が大幅に遅れ、気温は17度まで下がった。肉離れを抱える右ふくらはぎは1回戦の激闘で悪化し、ひざの下まで全体をテーピングして臨んだ。相手のボールを無理して追わず、ショットは右脚を踏ん張れずにミスを重ねた。第1セットは約20分で失い、第2セットは気力で対抗したが及ばなかった。
 14年ぶりの四大大会勝利に、ツアー関係者は驚いた。しかし逆転劇の代償は大きかった。1回戦の後「もう20代じゃない。ことし40歳になる。体のことを考えなければ」と話し、医師の診断を受けた。「棄権はしたくない。プレーし続けたい」という強い気持ちだけでは、四大大会の連勝は無理だった。
 次の目標は、6月のウィンブルドン選手権。まずは故障の完治が最優先課題となる。(共同)

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2010年5月28日のニュース