力尽きたクルム伊達「あれだけ医師に脅されると動くの怖かった」

[ 2010年5月28日 09:36 ]

 敗戦後の記者会見で、クルム伊達は痛めている右脚を前日に診断した医師の所見を明らかにした。「試合に出て何か異変があれば、2、3カ月試合を離れることになる可能性が高い」。ドクターストップの状態で強行出場したが、これ以上勝つのは無理だった。

 第1セットはコーナーを突くグロートのショットを追えず、1ゲームも奪えなかった。第2セットは意地を見せ、巧みにショットを組み立てたが、2―2からの第5ゲームをブレークされて主導権を失った。最初に握られたマッチポイントでは相手のリターンにほとんど反応もできず、力尽きた。
 右脚は筋膜が裂けているそうで「あれだけ医師に脅されるとさすがに動くのが怖かった」と苦笑い。海外メディアに出場した理由を問われると「四大大会はとてもスペシャル。わたしの性格として棄権したり欠場するのは嫌いだから」と強い執念を英語で説明した。
 2年前の現役復帰後、4度目の四大大会本戦で初めて勝ち星を挙げた。同時に、9月に40歳となる肉体は酷使に耐えられないことも思い知った。
 「勝てるテニスはできるけど、次に戦える体がないという現実を突きつけられた。悔しい」。次の四大大会、ウィンブルドン選手権まで1カ月を切った。それまでに右脚に巻く厚いテーピングを外せるだろうか。(共同)

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2010年5月28日のニュース