重圧ズッシリ…三塚 涙の開幕戦V

[ 2009年3月9日 06:00 ]

優勝を決め涙する女子プロゴルファー三塚優子

 国内女子ゴルフツアー開幕戦、ダイキン・オーキッド・レディース最終日は8日、沖縄・琉球ゴルフ倶楽部(6415ヤード、パー72)で最終ラウンドを行い、首位から出た三塚優子(24=フリー)が涙の開幕戦勝利を飾った。5バーディー、5ボギーの苦しいラウンドながら、通算8アンダー、208で逃げ切ってツアー通算3勝目。地元・沖縄での優勝を狙った上原彩子(25=モスフードサービス)は逆転ならず2打差の2位に終わった。15歳の比嘉真美子(沖縄・本部中3年)は通算3アンダーの12位で、ベストアマに輝いた。

 まだウイニングパットが残っている。それでも、胸にためた苦しさが涙となって三塚の目からこぼれ落ちた。過去の2勝では味わったことのない重圧。「2パットしても優勝。これで大丈夫と思ったら…」。1メートルのパーパットを沈めると再び目が潤んだ。「本当にホッとした」。喜びより安どの方が大きかった。
 11、12番の連続バーディーで2位に3打差。安全圏に入ったと思われたが、実は極限まで追い詰められていた。「勝たなきゃいけないと思った」。昨年の新人王に恥じないプレー、今季から用具契約したテーラーメイドの期待に応えなくてはとの義務感が、きまじめな三塚の心を支配した。
 14番での1・2メートルのパーパット。「話には聞いていたけど自分の手が本当に震えるとは思わなかった」。すると「傾斜とか芝目とか風とか今まで気にしなかったことが急に気になりだして、パニックになった」。外してボギー。15番でも1メートルを外して連続ボギーを叩いた。それでも「硬くならないように」と無理にでも笑顔を浮かべ、最後は粘りの3連続パーで乗り切った。
 コーチの母・千鶴子さん(52)は「今年はプロ3年目。土台をつくって来年は向こう(米ツアー)にも目を向けたい。そういう目標でやっている」という。今オフは積極的にトレーニングを行い、自慢の飛距離がさらに増すようスイング改良にも取り組んだ。サインは海外でも分かるようにとローマ字を使用。「自分のゴルフ人生に米ツアーは間違いなく入っている」と言う三塚は今秋にも予選会を受ける計画がある。飛躍を目指す1年で最高のスタート。「前半戦で1勝したかったので、あとはガンガン行くだけ」。かつてない重圧を克服した意味は大きかった。

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2009年3月9日のニュース