「ショートが穴」…ソフト斎藤監督が戦略報告書

[ 2008年10月9日 14:37 ]

 北京五輪で初の金メダルに輝いたソフトボールの日本代表を率いた斎藤春香監督がこのほど日本協会に報告書を提出し、攻守にデータを重視した戦略が「打倒米国」に結び付いたと総括した。

 打撃面では「米国のショートが穴」と分析し、特に左打者は三遊間にゴロを打たせる戦術だったという。決勝では3回2死三塁で1番・狩野亜由美(豊田自動織機)が遊撃へ先制の内野安打を放ち、作戦が当たった。相手投手は日本が最も苦手とした長身左腕のオスターマン。「打った球種は勝負球の外角に落ちるドロップだし、米国は一番嫌な点の取られ方だったはず」と振り返る。
 4回に山田恵里主将(日立ソフトウェア)が放ったソロ本塁打は手元で浮き上がるライズボールだった。同監督は「3年前からオスターマンの癖を見抜き、投げる動作で上(ライズ)か下(ドロップ)かは分かっていた」と丸裸にしていた事実を打ち明ける。合宿ではオスターマン対策で男子の左腕投手を相手に球速への目慣らしと感覚を磨き、決勝の狩野と山田の一打はその成果が出たと分析した。
 情報分析担当が集めたデータを基にした「お手製の配球表」を肌身離さず、米国打線の研究も欠かさなかった。決勝で見せたエース上野由岐子(ルネサス高崎)の力投は、そんな戦略にも支えられたようだ。

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2008年10月9日のニュース