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【小野伸二引退】サッカーの楽しさを体現し続けた天才 最後まで笑顔で遊び心あるプレーを

[ 2023年9月28日 05:26 ]

01年、フェイエノールトのファン感謝デーにヘリコプターで登場し、手を振って声援に応える小野伸二
Photo By スポニチ

 【記者フリートーク】最初に取材したのは97年、U―18日本代表候補の試合。ほとんどのパスをダイレクトで叩くスタイルに驚かされた。J初ゴールはGKと1対1になりフェイントしながら蹴り込んだ。W杯フランス大会ジャマイカ戦では股抜きも。小野のプレーには遊び心があった。

 浦和時代、練習を終えて帰ろうとした際、サインを求められ、1時間近く自転車にまたがったまま書き続けたことがある。受け手に優しい小野のパスは「エンゼルパス」と言われるが、人間性が表れたパスなのだと思う。

 シドニー五輪予選のフィリピン戦で悪質なタックルを受け左膝に重傷を負った。その後も負傷が続き目指していた海外移籍を断念。「僕が海外で通用すると思いますか」と聞いてきた無念そうな表情は忘れられない。フェイエノールト移籍が01年。お披露目となったファン感謝デーにヘリコプターで登場した時の笑顔を見て、こちらもうれしくなった。

 サッカーの楽しさを体現し続けた天才。最後のシーズンも小野伸二らしいプレーを見せてほしい。
(96~98年浦和担当・福永稔彦)

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