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J2首位町田エリキが重傷で今季絶望 大きな試練に黒田監督「もう一つ結束していく」

[ 2023年8月24日 21:05 ]

町田FWエリキ(左)と黒田剛監督
Photo By スポニチ

 J2首位の町田で今季リーグトップの18得点を挙げているFWエリキ(29)が左膝の重傷でシーズン絶望となった事態を受け、黒田剛監督が24日の練習後に取材に応じた。「悲劇中の悲劇。それが奮起する一つの材料になればいいけど、そう簡単に行くものではない。非常に難しい状況になった」と苦悩を明かした。

 エリキは19日清水戦の序盤、カウンターでドリブルを仕掛けた際に相手選手と接触して転倒。その後起き上がってプレーを続け、4試合連発となる今季18得点目を挙げたものの、再び痛みを訴えて前半37分に交代した。検査の結果、左膝前十字じん帯断裂、外側半月板損傷、内側側副じん帯損傷で全治約8カ月と診断された。

 今季町田に加入したエリキはフィールド選手でただ一人、全30試合に先発出場。爆発的なスピードと抜群の決定力を発揮し、リーグ最多の18得点に6アシストの活躍で快進撃の立役者となっていた。「上手さ、したたかさ、絶対的な決定力があった。困った時に点を取ってくれていた。いなくなると、いろいろな不安は否めない」。黒田監督はあらためて、エリキが替えの効かない存在だったと振り返る。

 高校サッカー指導者から転身し、プロクラブ指揮1年目の黒田監督にとって、終盤戦を前に訪れた最大の試練。「それでも、やるしかない。今からじたばたしてもしょうがない。あと1メートル足が出る、あと1メートル寄せるプレーを、怠らないでやることが重要」。エース離脱の影響を最小限に食い止めるため、全員がこれまで以上に献身的なプレーを継続する必要性を説いた。

 エリキは23日の練習後、治療のためブラジルへの一時帰国を選手とスタッフに報告。選手からは全員のサインが入ったユニホームを贈られた。エリキからは「自信持ってやってくれ、絶対にみんななら目標を達成できると声を掛けてくれた」(黒田監督)という。「エリキのためにも頑張っていかなければ。それを気持ちのよりどころに、もう一つ結束していきたい」と指揮官は力を込めた。

 初のJ2優勝とJ1昇格へ首位を快走中の町田は、ここまで19勝6分け5敗の勝ち点63。1試合消化が少ないながらも2位の磐田に勝ち点6差、3位の清水に同8差でリードしている。次戦は26日、ホームで6位の山形と対戦する。

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