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なでしこ支えるボランチ・長谷川 唯一無二の心臓 攻守で存在感

[ 2023年8月7日 04:55 ]

女子W杯オーストラリア・ニュージーランド大会決勝トーナメント1回戦   日本3―1ノルウェー ( 2023年8月5日    ウェリントン・リージョナル )

<日本・ノルウェー>前半、シュートを放つMF長谷川(右)(ロイター)

 2大会ぶりに8強入りした日本代表「なでしこジャパン」の11日の準々決勝の相手がスウェーデンに決まった。6日の決勝トーナメント1回戦で、前回大会3位のスウェーデンは史上初の3連覇を狙った米国と対戦し、延長を終えて0―0から突入したPK戦を5―4で制した。「データスタジアム」では3―1で快勝した5日のノルウェー戦でも攻守に奮闘したMF長谷川唯(26=マンチェスターC)をスタッツで分析した。

 ハーフタイムの池田太監督の指示を受け、MF長谷川は積極的に前線へ顔を出し攻撃に絡んだ。後半2分に早速シュートを放つと、その姿勢は後半5分に実った。ペナルティーエリア内に進入してパスを受け、相手DFを引きつけると、ボールをいったん失ったが、DF清水のパスカットから勝ち越し点を奪った。

 元々トップ下が本職で攻撃的なプレーを持ち味とする長谷川だが、現在所属するマンチェスター・シティーでは守備的位置のボランチを主戦場とし、身体能力の高い選手を相手に結果を残してきた。代表でもボランチを定位置とし、身長1メートル57で代表チームではMF林と並んで最も小柄ながら当たり負けしていない。
 これまでの4試合でタックル奪取6回はなでしこジャパン最多。タックル7度で失敗は1度とボールを奪いにいくタイミングの良さが光る。ノルウェー戦でも後半15分、自陣ゴール前で相手選手に体を当てボールを奪取。相手3人に囲まれても奪われない技術も見せた。

 広い視野で周りの状況を把握し、豊富な運動量を生かしてボールを拾うこぼれ球奪取は最多の20回。ボールゲイン(パスカット、タックル奪取など)も最多の41回とボールの出どころを読み、ボールを回収している。

 得意の攻撃でもチームへの貢献は大きい。パス数218本、味方からのパス受け150本はともにDF南に次いで2番目。ノルウェー戦でもゴールに結びつきそうなパスを何度も供給。空いたスペースを狙ったサイドチェンジなどでゲームの組み立て役も担う。
 FIFAが発表している今大会の総走行距離41.09キロはチームトップ。献身的に走り回り攻守で活躍するチームの心臓は、11年以来2度目の優勝へ欠かせぬ存在となっている。(記録課・海鋒 宏樹)

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