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元120円Jリーガーが、日本代表MF三笘から教わった勝つための秘訣

[ 2022年12月5日 08:00 ]

格闘家として挑戦を続けている安彦考真
Photo By スポニチ

 【大西純一の真相・深層】元年俸120円Jリーガーで、格闘家として挑戦を続けている安彦考真(44)が12月9日に八芳園で開催される格闘技の大会、「EXECUTIVE FIGHT BUSHIDO~皇~2022」に出場、パトリック・カバシ(25)と対戦する。10月22日にスイスで対戦して引き分けた相手で、リベンジ戦になる。

 「ギリギリで戦ってきてこの結果、それなりに評価に値する。一戦一戦しに物狂いで戦ってきた。その結果の積み重ね」

 昨年4月のデビュー以来6勝1分けと7戦負けなしの戦績を安彦はこう振り返る。「リングの中で自分を覚醒させることはできている」と、挑戦者として納得している様子だ。

 10月の初の“アウエー戦”は戸惑いの連続だった。前日に日本からスイスへ移動したが、コップ1杯の水しか飲まなかったのに約300グラムしか体重が落ちなかった。ある程度そこは想定していたので、試合前のルーティーンはすべて捨てて、「体の声を無視して」いつもと違う準備をした。入場時にいつも通りに叫びながら入場したが、スイスの観衆はまったく乗ってこなかった。リングもヘビー級用で日本でやるより広く、ルールも3分3ラウンドの予定が、直前で2分3ラウンドになった。サッカーでは感じたことがなかった異様なアウェー感だった。

 第1ラウンドでダウンを喫したが、第3ラウンドで逆に相手をダウンさせ、「勝ったかな」と思ったがドロー。それでも「初ダウンはいい勉強になった」とポジティブに捉えた。約1カ月でのリベンジ戦、相手に分析されて厳しい戦いになるが、「違うことをやると僕らしくない。相手に分析しても意味はない、と思われるように自分を持っていきたい」という。素人らしさを出すことが、自分らしさにつながる。さらにサッカーをやっていた頃、監督から「アビさんが前から来ると嫌。迫力がある」といわれていたことを思い出した。格闘技にも応用できるということに気づいたわけだ。

 スイスに向かう前、交流があるサッカー日本代表の三笘に「強い相手と戦う時の心構え」を聞くと、こうアドバイスされたという。「得意なことを常にイメージし、得意なゾーンで勝負するということから逃げない」自分の良さをとことん貫くということ。ジャイアントキリングを起こし続けたいと夢を抱く安彦は、三笘のアドバイスを胸に、リングでジャイアントキリングを起こしてくれるはずだ。

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2022年12月5日のニュース