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【城彰二氏が語る野々村新チェアマン】現役時代からサッカー界全体のことを考えていた

[ 2022年3月16日 05:30 ]

フォトセッションでグータッチをする、野々村芳和チェアマン(左)と退任する村井満氏
Photo By 代表撮影

 野々村さんは私が市原(現千葉)に入団した翌年の95年に慶大から入団してきた。寮も一緒で、よく食事にも連れていってもらい、面倒見のいい兄貴分だった。サッカーの話もしたが、体のケアやサプリのことなど知識が豊富で、視野が広く、知的で実業家のような感じだった。選手は自分中心に考えるものだが、彼はちょっと違った。「サッカービジネス的にこうした方がいい」とか「世の中にサッカー界はこう示さなければ」などとサッカー界全体のことを考えていた。

 札幌のフロントに入ってからは、資金集めで苦労も多かったようだが、いつも「絶対に大きなクラブにする」と言っていた。フランクで行動力があり、スポンサーを見つけにどこへでも出向いていく。やりたいと思ったことは必ず実現する人で、「目標以上のことをやるのが一流」と常々話していた。私が06年に引退する時に「最後に故郷の北海道でプレーできたらいいな」と思って連絡したが、この時は「お金がない」と断られた。

 私は現在、北海道リーグの十勝スカイアースの統括GMを務めており、野々村さんに頼まれて練習試合の相手を務めに札幌遠征したこともある。いつか道東にもJクラブをと話していた。今までにない目でJリーグを改革してほしい。(元日本代表FW)

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2022年3月16日のニュース