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黒田監督「衝撃だった」 小嶺忠敏さんの背中を追い続けて青森山田に“黄金時代”到来

[ 2022年1月10日 18:24 ]

第100回高校サッカー選手権決勝   青森山田4―0大津 ( 2022年1月10日    国立競技場 )

<高校サッカー決勝 大津・青森山田>胴上げされる青森山田・黒田監督(撮影・西海健太郎)
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 黒田剛監督(51)が涙を拭った。16年度の初優勝から6年で3回目の大会制覇で、18年度から4大会連続の決勝進出は故・小嶺忠敏さんの率いた国見(00~03年度)以来の快挙。記念すべき100回大会は青森山田の黄金時代の到来を告げる優勝で幕を閉じた。

 指導者として、小嶺さんを見本に走り続けてきた。高校2年時に北海道の室蘭市で開催されたインターハイに、小嶺さんは長崎からマイクロバスを運転してやってきた。「高校生ながら衝撃だった。指導者の情熱もそうだし、こういう指導者に教わる生徒たちは幸せだなと思う一面があった」。青森山田のコーチに就任した94年にマイクロバスの免許を取得。小嶺さんのように走行距離でも日本一を目指そうとし、ひと夏で約7200キロを運転した年もあった。

 教育者としてもレジェンドの背中を追った。小嶺さんが口癖のように言っていた「ダメなものを嫌われるからといって指摘しないの、何もしていないのと一緒だ」。どう思われようと子どもたちと真剣になって向き合い、「サッカーの前に一人の人間として」を信念にまず礼儀とマナーを叩き込む。今大会中も午後8時30分には選手からスマートフォンを回収。「勝ち上がれば保護者以外からもメッセージがくる。きたら返したくなるのが人間の心理。その欲望を我慢して、他チームとのアドバンテージをつくる」。チームメートとの会話や睡眠時間を大切にするよう促した。

 選手と接する態度に嘘やごまかしは一切ない。規律を定めながらも自主性を尊重する。だからこそ、選手たちは厳しさの中に愛を感じられる。外から見る以上に、監督、コーチ、選手の距離は近い。そんなチームの伝統の団結力によって、青森山田の名門としての力が培われていく。

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2022年1月10日のニュース