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大津旋風だ!!初4強 GK佐藤瑠が好セーブ連発 熊本県勢67大会ぶり導いた

[ 2022年1月5日 05:30 ]

第100回全国高校サッカー選手権 準々決勝   大津1ー0前橋育英 ( 2022年1月4日    フクアリ )

<大津・前橋育英>勝利の瞬間、グランドに大の字になる大津GK佐藤瑠に坂田が駆け寄る(撮影・篠原岳夫)
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 大津(熊本)の新たな歴史を刻む悲願のベスト4。達成した瞬間、ピッチには選手たちの笑顔と歓喜があふれた。負傷交代しベンチから戦況を見守っていたエースで主将のMF森田(3年)も手で顔を覆い地面にうずくまった。主役は3回戦までに12得点を挙げた攻撃陣ではなく、守備陣だった。大津のシュート4本に対して相手は9本。GK佐藤瑠(3年)の好セーブなど守備陣が体を投げ出してゴールを死守した。山城朋大監督は「きょうは佐藤が最優秀選手」と称えた。

 立ち上がりから前橋育英のパスワークに主導権を握られた。守備に追われる時間が続いた前半11分、FW一村が挙げた虎の子の1点を守りきった。一村は「これまでの3試合で活躍できず迷惑をかけていたので自分のゴールで勝ててうれしい」。最初のチャンスで決めきる勝負強さをみせた。

 後半17分に攻撃の要・森田が交代後は5バックに変更。県大会からの7戦で1失点の堅守を発揮した。今季は高校年代最高峰の高円宮杯U―18プレミアリーグで西地区4位の好成績を収めた。ボール支配に優れるJリーグのユースと渡り合って鍛えられた。青い壁の中心で守備を統率したDF寺岡(3年)は「100回大会で自分たちの代で歴史を塗り替えられて誇りと喜びを感じる。落ち着いて最後シュートを打たれるところだけを防げた」と話した。

 大会前のケガで離脱したDF日高(3年)が会場でボールボーイを務める姿に「日高の分まで、ということで一つになって守備ができた」と感謝した。

 4度目の準々決勝で壁をついに超えた。指揮官は「勝つためにみんなが必死に我慢してやるべきことをやってくれて運もあった」と振り返った。

 目標の国立にたどり着いた寺岡は「後は悲願の全国制覇へ向けて戦うだけ」と決意表明。一村は「ここまできたら全国制覇しかない」と意気込んだ。(村田 有子)

 ◇大津(おおづ) 1923(大正12)年に前身の県立大津中学校として開校。48年から現校名に。普通科と理数科を設置。サッカー部は公立高の雄として全国大会の常連で、昨夏の高校総体はベスト8。主なOBに巻誠一郎、植田直通(フランス2部ニーム)、谷口彰悟(川崎F)ら。学校の公式サイトによると、同校出身のJリーガーは48人。所在地は熊本県菊池郡大津町大津1340。社会人野球の強豪、Honda熊本も大津町を本拠地としている。

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2022年1月5日のニュース