×

独の超新星17歳ウィルツ 絶対王者からブンデス最年少弾!現役高校生が飛躍したきっかけは?

[ 2020年6月9日 05:30 ]

Bミュンヘン戦で最年少弾を記録。ブンデスリーガの歴史を塗り替えたレバークーゼンの17歳FWウィルツ(中央)(AP)
Photo By AP

 ドイツ1部(ブンデスリーガ)に大型新人が出現した。レーバークーゼンのU―17ドイツ代表MFフロリアン・ウィルツ(17)が、デビュー4戦目となった6日のバイエルン・ミュンヘン戦で初ゴール。17歳34日での得点は、05年のドルトムントMFヌリ・シャヒン(31=現ブレーメン)の17歳82日を抜き、リーグ最年少記録を15年ぶりに更新した。3月まで下部組織のU―19チームでプレーしていた現役高校生が、飛躍したきっかけとは。

 リーグ8連覇を目前としたBミュンヘンを相手に、特別な才能を示した。最年少弾に凝縮されていたのは、ウィルツの高い技術と決定力、冷静さ、的確な状況判断だ。ペナルティーエリア右でパスを受けると右足でシュートを打つと見せかけて中央へ切り返した。フランス代表DFエルナンデスをかわし、利き足ではない左足シュートをドイツ代表GKノイアーの届かない逆サイドに突き刺した。

 ライニッシェポスト紙は「リーグの歴史を書き換えた」、シュピーゲル誌は「高校生が特別な瞬間を刻んだ」と報道した。新型コロナウイルスの影響がなければ記録達成はなかったかもしれない。1月にケルン下部組織から加入後はU―19チームでプレー。リーグ中断中にトップチームの練習に参加したことが転機だった。

 「リーグ中断中にやって来て、初日から特別な能力を見せた。本当に急に台頭した」とMFバウムガルトリンガー。ボス監督に実力をアピールしてリーグ再開初戦となった5月18日ブレーメン戦で先発の座をつかみ、クラブ最年少(リーグ史上3位)の17歳15日で初出場を果たした。

 万能型の攻撃的MFはケルンで「30年に1人の逸材」と称され、主将として昨季U―17ドイツ選手権優勝の立役者となった。昨年12月にはハーフライン手前から約50メートルの超ロングシュートを決めるという伝説も残した。移籍時にはBミュンヘン、リバプールなど国内外のビッグクラブが争奪戦を展開したが、通学環境も考えて地元の強豪を選択した。

 レーバークーゼンは若手育成に定評があり、16年に当時クラブ最年少デビューしたドイツ代表MFハフェルツは20歳でRマドリード移籍の可能性が浮上するまでに成長。ウィルツは「次のハフェルツ」として大きな期待を集めている。

 ◆フロリアン・ウィルツ 2003年5月3日生まれ、ドイツ・ケルン近郊プルハイム出身の17歳。父ハンツヨアヒム氏が会長を務める地元アマチュアクラブでサッカーを始め、10年に7歳でケルンの下部組織入り。今年1月にレーバークーゼンに加入した。18歳の姉ユリアーヌはレーバークーゼンの女子チームでプレーしている。1メートル75、68キロ。利き足は右。

続きを表示

2020年6月9日のニュース