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湘南アカデミー・太田隆一ダイレクター 逆転の発想で始動「オンラインスカウト」

[ 2020年5月2日 05:30 ]

再開を待つJな人々

 金の卵を埋もれさせないために、湘南が新しい試みをスタートさせた。「BELLMARE DREAM BOX(ベルマーレドリームボックス)」と名付け、全国の小学5~6年生を対象にプレー映像を送ってもらい、スタッフが見てチェックした上で湘南の下部組織にスカウトする。いわばオンラインスカウトだ。湘南アカデミーの太田隆一ダイレクター(47)は「徐々に応募が来ている。期間限定だったが延長します」と、感触が良かったことから今月末まで募集期間を延長した。

 これまではスカウトが少年団の試合を見に行き、素質のある選手に声を掛け、夏に実施するセレクションに招待。合格すると6年生は翌年U―13に、5年生は少年団に所属したまま週2日活動する強化特待クラスに入り、県内3カ所で活動しているジュニアユース(中学生年代)昇格を目指す。今年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で少年団が活動できないことから「売り込み歓迎」と発想を転換した。

 実はこれ、太田ダイレクターが以前から温めていたアイデア。「こちらから声を掛けた子だけがチャンスを得るのでは一方通行、自分からチャンスをつかめる場がないかと思っていた」。ゴールデンエージと呼ばれるこの年代は急成長する子供もいる。スカウトの情報網に引っ掛からないケースもあり、より良い方法を考えていた。それをこのタイミングで応用したわけだ。

 「自分から行動することは、その後の人生でもプラスになる。5~10年後は一般的になっているかも」。実際に同様のシステムを採用するチームも出ているという。災い転じて福となせるか、湘南の新方式がサッカー界を変えるかもしれない。 

 ◆太田 隆一(おおた・りゅういち)1973年(昭48)2月13日生まれ、福岡県出身の47歳。西福岡(現福岡講倫館)高卒業後ブラジルのアメリカ、グアラニ、クリシューマの各ユース、大分トリニティ、ヴォルカ鹿児島でプレー。引退後は鹿児島、日大三島高、横浜FCアカデミーで指導。昨年2月から湘南U―13監督、今季からダイレクター兼任。現役時代はMF。

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2020年5月2日のニュース