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J3沼津MF伊東輝悦、31日に45歳 最年長出場意欲、川口の43歳3カ月を更新だ

[ 2019年8月29日 05:45 ]

24日の藤枝との練習試合でキャプテンマークを巻いて出場した沼津MF伊東
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 J3沼津のMF伊東輝悦(44)が31日、45歳の誕生日を迎える。J通算27年目。今季は沼津加入3年目で最も多い5試合にベンチ入り。出場すれば、ともに96年アトランタ五輪で「マイアミの奇跡」を起こし、98年W杯フランス大会でも同僚だった川口能活氏(44)が、相模原時代に樹立したJ3最年長出場記録、43歳3カ月を更新する。衰え知らずの「テル」が新たな金字塔に挑む。

 24日の藤枝との練習試合。伊東は3、4本目(各30分)に出場。主将マークも巻きボランチで走り続けた。「45歳?もう関係ないよ。今、自分ができていないと思わない。だからここにいる」。誕生日が近づいても意識はない。

 充実した表情で続けた。「30歳後半かな。甲府(当時J1)のころ体力の落ちは感じ始めた。だから効率のいい動きにこだわった。走り続けりゃいいってもんじゃない」とニヤリ。

 吉田謙監督(49)も高評価だ。「若手にない判断がある。“えっ、そっち?ありゃ、球奪っちゃったよ”とか。リーグ戦出場の可能性もある」。伊東も「そのために準備している」と応えた。
 清水エスパルス時代から筋トレは行わない。「体重計も乗らない。動きで体調が分かる。今は動いている」と、培われた勘も青信号をともしているようだ。

 家族の支えも力強い。「嫁も子供も“いつ辞めるの?”とか言わない。普通の日々がありがたい」。年齢に違和感のない日常。それを理解するクラブ。両者の関係も現在の「テル」を演出している。

 年齢を意識するのは、サポーターと触れ合う時だけだ。「同い年のファンに声を掛けられると“希望になっているのかな”と思う」。ストイックな男も、中年の星を意識する時がある。だからこそ意志は強い。

 「動けることを見せないと。俺は“走れ沼津”に“効率よく”が付く。でも明日変になって急に“辞めよう”と思うかも」と笑った。裏腹に自信の表情。テルの冒険にまだゴールは訪れそうにない。

 ≪スタッフ陣が奇跡の45歳支える≫奇跡の45歳を支えるのがスタッフ陣だ。山本コーチは「練習前のアップの基本的動作。チームで1、2位を争う姿勢の良さがある。これが大きなケガもない理由の1つ。長い現役生活の訳が分かる」と絶賛する。杉山トレーナーはフィジカル担当。「走りに重要な腓腹筋(ひふくきん=ふくらはぎ)を見てもらいたい。こんなに鍛えられた45歳はいない。筋トレもしない。私が経験を積む研究材料にもなります」と生きる教材を称えた。

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2019年8月29日のニュース