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どうした柴崎?リーグ戦8戦連続出番なし“戦力外”2つの要因

[ 2018年11月13日 09:00 ]

ヘタフェの柴崎岳
Photo By 共同

 スペイン1部ヘタフェで2季目を迎えた日本代表MF柴崎岳(26)が苦境に陥っている。10日の第12節バレンシア戦で今季4度目のベンチ外。リーグ戦は9月16日の第4節セビリア戦以来、8試合連続で出番がない。今季公式戦出場は3試合という厳しい現状について、スペイン主要2紙のヘタフェ番記者の見解を聞いた。柴崎は12日に帰国し、森保ジャパンに合流した。

 W杯ロシア大会で日本の16強入りに貢献したMF柴崎が、ヘタフェで出番を失っている。今季フル出場は開幕節Rマドリード戦だけ。他は途中出場2試合だけで、計141分しかプレーしていない。ヘタフェで番記者を務めるアス紙のホセ・アントニオ・デラロサ記者とマルカ紙のフアンカル・ナバセラーダ記者は、主な原因は2つあると指摘する。

 1つは、評価が高まっていたW杯直後に移籍が実現しなかったこと。ナバセラーダ記者は「クラブ首脳は今夏に柴崎を売却しようと考えていた」と明かす。デラロサ記者によると、開幕戦で柴崎をフル出場させたのは、移籍に向けて他クラブにアピールするためで「ドイツの複数クラブが興味を示していたが、結局ヘタフェを満足させるオファーは届かなかった」と振り返る。

 もう1つは、柴崎の持ち味が、ボルダラス監督の哲学に合わないこと。柴崎は昨季後半はボランチで起用されたが、今夏に1メートル89のセルビア代表マクシモビッチがバレンシアから加入し先発に定着。デラロサ記者は「監督はボランチにフィジカル的に強い選手を好む。たとえ柴崎より技術がなくても」と指摘する。ナバセラーダ記者は「監督は柴崎が(4―3―3などの)インサイドハーフならプレーできると考えているが、システムは4―4―2だ。それにヘタフェのように縦に速いサッカーではなく、もっとボールに触れられるチームの方が合っている」とシステム、スタイルともに適合していないと説明する。

 両記者とも柴崎が1月の移籍期間で退団する可能性が高いとみるが、ナバセラーダ記者はスペイン国内での移籍は「難しいと思う」。理由は、出番激減で評価が下がってしまったためで「スペインでのキャリアは、2部テネリフェでの活躍で止まっている。移籍先は夏にも複数のクラブが興味を持ったドイツになるのではないか」と予想する。厳しい現状と評価を乗り越え、日本が誇る司令塔が復活を果たせるか。森保ジャパンでのプレーに注目が集まりそうだ。

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