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ベルギー32年ぶり4強!“赤い悪魔”快進撃 4―3―3ズバリ

[ 2018年7月8日 05:30 ]

W杯決勝トーナメント準々決勝   ベルギー2―1ブラジル ( 2018年7月6日    カザン )

前半、フェルナンジーニョのOGで喜ぶコンパニー(中央)らベルギー代表(撮影・西尾 大助)
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 日本に劇的な逆転勝利を果たした赤い悪魔が、今度は王国を破った。6日の準々決勝でFIFAランキング3位のベルギーは、同2位のブラジルを2―1で下し、86年大会以来32年ぶり2度目の4強入りを果たした。ケビン・デブルイネ(27=マンチェスターC)が初得点を挙げるなど活躍。10日の準決勝で、3大会ぶり6目のベスト4に進出したフランスと対戦する。最多6度目の優勝を狙ったブラジルは4大会連続で欧州勢に敗れ、南米勢は姿を消した。

 ピッチにできた赤い円陣。全員で喜び合う姿にベルギーの一体感が表れていた。優勝候補が次々と消える波乱の大会で、マルティネス監督が「今大会ベストチーム」という大本命ブラジルを撃破。13回目の出場で初の5連勝。2度目のベスト4へ駆け上がった。

 「リスクを負ってギャンブルをした。ブラジルに勝つためには戦術的な優位性が必要だった。たった2日でよく選手が対応し、信じて実行してくれた」というスペイン人指揮官の“秘策”がはまった。布陣を3―4―2―1から4―3―3に変更。ボランチで起用していた司令塔デブルイネを3トップに据えた。日本戦で後半終了間際の決勝弾の起点となった7番が「戦術変更で前半は良いプレーができたと思う」と前線起用に応え今大会初得点。1―0の前半31分、日本戦のスーパー速攻をほうふつさせるFWルカクの突破からパスを受け、右足で鮮やかなミドル弾を左隅に突き刺した。

 高さと守備も「戦術的優位性」だった。1メートル69のメルテンスらに代わり、1メートル94のフェライニと1メートル87のシャドリをボランチに起用したことで先発平均身長は日本戦の1メートル84・8から1メートル87・7にアップ。1メートル78・3のブラジルとの10センチ近い身長差を生かし、前半13分にCKで相手オウンゴールによる先制点を呼んだ。守備でもフェライニは3ボランチの右でネイマールを徹底マーク。4バックと連動してスペースを消し相手エースを封じた。

 大胆な戦術変更を黄金世代のタレント軍団が完璧に遂行し、王国を撃破。天才司令塔シーフォを擁した86年大会以来、32年ぶりの準決勝でフランスと激突する。「素晴らしい相手だが、勝つために全てを尽くす」とデブルイネは初めての決勝進出だけを見据えた。

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2018年7月8日のニュース