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Jリーグ 観客増加のカギはライト層 快適に過ごせるスタジアムを

[ 2016年3月4日 08:50 ]

今季からG大阪の本拠地となった市立吹田サッカースタジアム

 Jリーグが15年シーズンのスタジアム観戦者調査のレポートをまとめた。昨年5月3日~10月4日の期間に、J1、J2全40クラブのホームゲーム来場者、11歳以上の男女1万7866人を対象に、1万7164の有効回答を得た。観戦者プロフィルの平均値は、年齢41・1歳、男性構成比62・7%、月額自由裁量所得(小遣い)3万5100円、1シーズン観戦頻度J1が12・2回、J2が13・1回、会場までの平均所要時間51分などだった。

 個人的に着目したのは、15年に初めて観戦した新規参入層7・1%と、サッカー未経験者61・8%という数字。サッカーに詳しくないライト層をいかにリピーターにするかが、今後の観客増加に向けたカギを握るのは間違いない。その点において、現在のスタジアム観戦環境は観客に親切とは言い難い。スタンドからの距離では誰がボールを持っているか分かりづらく、笛が吹かれて試合が止まった時も何の反則かの説明はない。得点シーンのリプレー映像もホームチームのものしか流さない会場も多い。

 何度もスタジアムに足を運ぶコアサポーターなら体格や走り方などで選手の見分けがつき、ルールの理解も深いため問題ないかもしれないが、ライト層はちんぷんかんぷん状態に陥る可能性もある。記者自身も担当クラブ以外の取材では現場にいて、テレビ観戦の方が分かりやすいと感じることは多い。

 全会場、全席にWi―Fiを飛ばして、全ての入場者がスマートフォンやタブレットで無料で試合中継を見られるようにするなどの環境整備は最低限、進める必要があると思う。グルメをはじめとした売店の充実や、ラグジュアリーなシートの導入などもライト層の取り込みに効果的かもしれないが、前述の通り観戦者の平均小遣いは月額3万5100円。来場頻度アップにつなげるためにも、入場料ポッキリで快適に過ごせるスタジアムを目指してもらいたい。(木本 新也)

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2016年3月4日のニュース