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浅野 リオでもV弾だ!有言実行2発で家族に届けた代名詞ポーズ

[ 2016年2月1日 05:30 ]

韓国戦で決勝ゴールを決め、トレードマークのジャガーポーズで喜ぶ浅野

 「勝てない世代」がついに頂点に立った。U―23日本代表は30日、リオデジャネイロ五輪予選を兼ねたU―23アジア選手権決勝を韓国と戦い3―2で勝った。途中出場のFW浅野拓磨(21)が2―2の後半36分に勝ち越しゴールを決めるなど2得点。一時は2点のビハインドを背負ったが、逆転勝ちでアジア王者に輝いた。チームは31日夜、6大会連続となる五輪切符と栄冠を持って帰国した。

【試合結果 決勝T U―23日本代表メンバー】

 “最後の切り札”が優勝に導いた。2―2の後半36分、相手のクリアボールを中島がダイレクトで前線へパス。一度はDFに体を預けた浅野は反転して振り切ると最後は左足でゴール右に流し込んだ。「中島選手が持った瞬間に抜け出そうと。DFに体を当ててボールに触らせないようにした。うまくいきましたね。シュートも落ち着いて決められた」。ゴール後は所属する広島でもおなじみの“ジャガーポーズ”でチームメートと喜びを分かち合った。

 反攻の一撃も決めた。後半15分に投入されると、0―2の後半22分に矢島のスルーパスに抜け出して右足で決めた。準決勝まで今大会5試合中4試合に出場したが無得点。「次決めれば良いんだという気持ちでやってきた」。昨季のJリーグヤングプレーヤー賞を受賞した21歳はもがき苦しんだが、最後の大一番で大仕事をやってのけた。

 予告弾だった。試合前。宿舎を出る前に家族に電話をした。「きょうは点を取る」――。三重県菰野町に生まれ、7人きょうだいの三男として育った浅野。トラックの運転手として働く父・智之さんや大家族を支える母・都姉子(としこ)さんらに励まされた。四日市中央工に進学する際、母は結婚指輪を売ってまでサッカーに打ち込む息子の背中を押した。家族を思う気持ちは人一倍だ。

 そんな浅野のモチベーションのひとつが、末っ子の心春(こはる)ちゃんの存在。きょうだい唯一の女の子で、実家に住んでいた高校時代には風呂に入れることもあった。一時、ゴールパフォーマンスで電話をかけるポーズをしていたのは心春ちゃんに向けたもの。「まだあんまり意味も分かってないと思う」と言うが、妹が大きな力となってきた。昨年12月31日に4歳の誕生日を迎えた心春ちゃんに、1カ月遅れのバースデープレゼントにもなった。

 五輪出場を決めた。アジア制覇も果たした。ただ、目指すのはより高みだ。「ジャガーポーズがはやってくれればうれしい。でも、プレーより先にポーズがくるのでなくて、プレーを見てもらえる選手になりたい。ここがゴールでなくA代表にも選ばれたい」。昨年8月以来のハリルジャパン入りも視野に入れた。ジャガーの異名通り快足ストライカーは走り続ける。

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