×

失望させられたベスト11の“塩対応” J人気回復へ個の努力を

[ 2015年12月23日 12:11 ]

21日の「2015Jリーグ・アウォーズ」でベストイレブンの表彰を受ける(前列左から)鹿島・MF金崎夢生、G大阪・MF遠藤保仁、広島・MF青山敏弘、川崎F・FW大久保嘉人、G大阪・FW宇佐美貴史、広島・FWドウグラス(後列同)浦和・GK西川周作、浦和・DF槙野智章、FC東京・DF太田宏介、FC東京・DF森重真人、広島・DF塩谷司

 Jリーグが注目度アップに向けて試行錯誤を続けている。今季は11年ぶりに2ステージ制とチャンピオンシップ(CS)を導入。総入場者数は初めて1000万人を超え、CSのテレビ視聴率も2桁をマークした。年間順位の軽視、CSトーナメント表の分かりにくさなど否定的な意見もある中、改革は一定の成果を挙げたといえる。

 データなどを基に今季を検証して、来季はCS方式を一部改正することも決定した。年間勝ち点2、3位のチームを各ステージ覇者より優遇してホームで試合を実施。同点の場合は延長を行わず年間勝ち点上位チームの勝利とするマイナーチェンジを行う。村井チェアマンは2ステージ制を当面継続する方針を示唆した上で「まだやることはいっぱいある。成功したと胸を張るつもりはない」と振り返る。

 果敢にチャレンジするJリーグとは対照的に、選手の人気回復に対する意識は低いように感じる。注目度を上げる最も手っ取り早い方法はスターの出現だが、ピッチ外の振る舞いに無頓着な選手が多い。21日に行われたJリーグ年間表彰式でベスト11による会見が行われたが、気の利いた発言をしたのは来季のMVP獲得に意欲を見せた槙野ぐらい。全体的に語彙(ごい)に乏しく、金崎にいたっては「うれしいです。ありがとうございます」と棒読みで返答。質問者へのリスペクトを欠く対応を見せた。

 48歳で現役を続けるカズやACミランの本田らスター性のある選手は、プレーもさることながら常に“見られ方”を意識するプロフェッショナルな一面を持っている。だからこそ人気があり露出も多い。もちろんサッカーで結果を出すことが選手の一番の仕事であることに違いはないが、スター予備軍でもあるJリーグベスト11の“塩対応”には失望させられた。ピッチ上と同様にシステムや戦略も重要だが、最後は個の力が人気回復の鍵を握ることを忘れてはならない。 (木本 新也)

続きを表示

2015年12月23日のニュース