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敵地まで駆けつける清水の“女神” J1残留へ報われてほしい頑張り

[ 2015年8月18日 10:30 ]

7月29日の横浜―清水戦で合同パフォーマンスを行った横浜チア「トリコロールマーメイズ」と清水チア「オレンジウェーブ」

 敵地まで駆けつけた“女神”たちの思いが届いたのかもしれない。7月29日、日産スタジアムでのJ1横浜―清水戦。アウェーの清水は1点ビハインドからFW大前のヘディング2発で逆転し、第2ステージ初白星を挙げた。リーグ戦で清水が横浜に勝ったのは、10年4月3日の対戦(日産ス)以来約5年ぶり。金星を後押ししたのは、この日、敵地まで遠征していた清水の公式チアリーダー「オレンジウェーブ」だった。横浜の公式チアリーダー「トリコロールマーメイズ」との合同パフォーマンスのため横浜まで遠征していたのだ。

 プロ野球では、球団の公式チアリーダーがビジターゲームへ遠征してパフォーマンスを披露するのはよくあることだが、Jリーグではあまり聞かない。だが、横浜と清水の公式チアリーダーは11年から毎年合同パフォーマンスを行っており、“コラボ”は今年で5年目を迎えた。

 両チームの合同パフォーマンスが初めて開催されたのは11年4月29日、日産スタジアムでのリーグ戦だ。当時は東日本大震災から約1カ月半が経過したばかり。両チームのチアは駆けつけた観客に笑顔と勇気を届けるべく、懸命に踊った。それ以来、両チームのチアは毎年2回、それぞれのJ1ホームゲームでコラボダンスを行っている。

 7月29日の試合では、記念すべき通算10回目の合同パフォーマンスが行われた。ダンスの振り入れと練習は各自で行い、両チームが合同練習したのは試合当日の30分間だけ。それでも、試合前とハーフタイムの2度のショーでは全員息の合ったダンスを披露した。「緊張感があったけど、うまくまとめようとやってました」とオレンジウェーブ加入5年目の愛美さん。トリコロールマーメイズ加入9年目の麻莉子さんも「“正々堂々と戦いましょう”というテーマをダンスで表現できました」と声を弾ませた。

 年2回のコラボは両チームのチアにとっても大きな刺激になっている。愛美さんが「お互いに切磋琢磨(せっさたくま)しあえるのがとても良いところ」と話せば、麻莉子さんも「お互い“来年また会いましょう”という感じで、私たちにとっても一つのモチベーションになっています」と明かす。

 第2ステージ第7節を終えて、清水の年間順位はJ2降格圏の17位。一方の横浜も、5月から7月にかけて9戦連続勝ちなしを経験するなど苦しんできた。それでも、どんなにクラブが苦境に立たされていようと、スタジアムで笑顔を絶やさない両チームのチアの姿は見ていてすがすがしい。第2ステージは残り10試合。彼女たちの頑張りが報われてほしいと、心から願う。(原田 真奈子)

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2015年8月18日のニュース