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柿谷 欧州デビューで倒された…PKなしにサポからブーイング

[ 2014年8月4日 05:30 ]

トゥーン戦の後半、移籍後初出場を果たしゴール前に攻め込むバーゼルの柿谷(左)

スイスリーグ第3節 バーゼル3―2トゥーン

(8月2日)
 バーゼル(スイス)の日本代表FW柿谷曜一朗(24)が2日、待望の欧州デビューを果たした。アウェーのトゥーン戦で後半32分から途中出場。ゴールには絡まなかったが、ペナルティーエリア内で倒され、PK獲得かという見せ場をつくるなど存在感を発揮した。チームは3―2で勝利し、開幕3連勝を飾った。

 飛躍を期して欧州に渡ったストライカーがデビュー戦でPK獲得か、という際どい場面をつくった。後半32分、ベンチ横でアップをしていた柿谷が初めて欧州のピッチに登場。その5分後だった。FWシュトレラーが頭でボールを落とすと、柿谷はマークについていた相手DFより一歩前に出てボールを受け、一気にペナルティーエリアに進入。その直後だ。後方から肩に手をかけられ、倒された。

 だが主審の笛は鳴らない。試合後、柿谷は「普通に点を決めようと思ってプレーしたらああなったんで。残念ですけど…」と冷静だった。むしろ怒りが収まらないのは周囲の方だ。敵地に駆け付けていたバーゼルのサポーターは、判定に一斉にブーイング。パウロ・ソウザ監督、選手もベンチ前で怒りをあらわにした。柿谷にとって“名刺”代わりのプレーとなった。

 後半43分、バーゼルが1点リードを奪うと柿谷もドリブル突破などリスクのあるプレーは避けた。体を張った守備で拍手を浴びるなどチームの勝利に貢献するプレーに徹した。待望の欧州デビューにも「一歩踏み出したとかは思ってない。出たからどうこうというより、早くチームに貢献できるよう頑張りたい」と話した。

 エースとして期待されたW杯ブラジル大会は不発で不完全燃焼に終わった。4年後のロシア大会では真のエースになることを目指し、主戦場をレギュラーの約束されたC大阪からスイスで5連覇中の強豪に移した。次戦は9日にホームでチューリヒと対戦。今後は夢の舞台だった欧州CLも待つ。柿谷の挑戦は始まったばかりだ。

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