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“新ファンタジア”本田で完成 幻想カルテットに期待

[ 2014年1月23日 05:30 ]

ベローナ戦でFKの前にバロテリ(右)と話すACミランの本田

 ACミランの日本代表MF本田圭佑(27)が「ファンタジア」の一員に指名された。リーグ戦初先発となった19日のベローナ戦は得点に絡めず地元メディアから批判を浴びたが、アドリアーノ・ガリアーニ副会長(69)は本田を含めた前線の4人を「ファンタジア」と命名。09~10年にセリエAを席巻した魅惑的な攻撃布陣になぞらえ、今後に大きな期待を寄せた。

 信頼の証だった。ベローナ戦の不発で地元各紙から最低点をつけられるなど批判された本田。しかし、ガリアーニ副会長は日本のエースを含めた前線4人を「創造性」や「幻想」を意味する「ファンタジア」と命名。魅惑的かつ攻撃的な布陣の象徴とし「素晴らしいスピリット」と称えた。

 09~10年にセリエAを席巻したミラン攻撃陣になぞらえている。当時のレオナルド監督はシーズン途中から4―2―1―3を採用。4バックとダブルボランチの「4―2」で守備を固め、ロナウジーニョら創造性あふれる前線4選手がトップ下+3トップを示す「1―3」の位置にとらわれない流動的な動きで4人組の「ファンタジア」と呼ばれた。それが「4―2―ファンタジア」の布陣だ。攻撃力アップで順位を引き上げたカルテットの中心が現監督で当時10番のシードルフだった。

 ベローナ戦後、PKの1点に終わった新布陣は叩かれ、矛先は主に本田に向けられた。それでもシードルフ監督は「前線にタレントがいるなら、クオリティーを生かして、つなぐサッカーをしたい」と発言。指揮官の哲学、本田への信頼は揺らいでいない。ベローナ戦では本田にカカー、ロビーニョの2列目がポジションチェンジを繰り返しながらパス交換、1トップのバロテッリは「俺はやりやすい」と振り返った。

 22日(日本時間23日午前5時)のウディネーゼとのイタリア杯準々決勝は過密日程で控えに回る見通しの本田だが、26日(同26日午後11時)のセリエA・カリアリ戦では先発の可能性が高い。「自分を高めていきたい」と訴える10番が、新たな「4―2―ファンタジア」を完成させる。

 ▽4―2―ファンタジア レオナルド監督が09~10年シーズン途中から採用した4―2―1―3システムにガリアーニ副会長が命名。序盤戦の4―4―2は開幕7戦で4点しか挙げられずに10位に低迷。第8節ローマ戦の後半にインザーギを中央に入れた3トップで一気に2得点して逆転に成功、それを機に攻撃的布陣が定着して最終的に38試合で60得点を記録。リーグ3位で欧州CL出場権を獲得したが、無冠に終わった指揮官はシーズン後に退任した。

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2014年1月23日のニュース