“小さな巨人”阿部　強心臓で今季２点目！

＜浦和・Ｇ大阪＞前半、Ｇ大阪・阿部（中央）はゴールを決め笑顔を見せる

Ｊ１第２６節 Ｇ大阪５－０浦和

（9月22日 埼玉）
　Ｇ大阪の阿部浩之（２３）は８試合ぶりに先発。「いきなり言われたけど、いつも準備しているので。絶対に結果を残してやろうと思った」。前半１９分に左足で今季２得点目を挙げ、大量５得点の呼び水となった。

　１メートル７０と小柄だが“大物”のにおいが漂う。高校は大阪桐蔭。同級生にはプロ野球日本ハムの主軸に成長した中田翔がいた。関西学院大時代は加茂周元日本代表監督の薫陶を受けた。もちろん、華々しいのは恩師や友人関係だけではない。

　自身も４月１４日の川崎Ｆ戦でプロ初得点を挙げ、チームを今季初勝利に導いた。２試合連続勝利なしで迎えた浦和戦でも大仕事。浦和サポーターの大声援も「緊張とかはなかったですね」と強心臓ぶりも発揮した。

　決勝点を挙げた選手にはＪリーグスポンサーのマクドナルドから、同社の店舗で使えるマックカード１万円分が贈呈されるが、阿部は「皆で食べてほしい」とクラブスタッフに譲渡。「毎試合のケアであったり、いろいろしてくれる。感謝の気持ち」という。さりげない優しさも持ち合わせる“小さな巨人”。この日も試合後、スタッフにそっとカードを手渡した。

　◆阿部　浩之（あべ・ひろゆき）１９８９年（平元）７月５日生まれ、奈良県北葛城郡出身の２３歳。大阪桐蔭ではサッカー部１期生で３年時に全国高校総体出場。関西学院大では４年時に関西学生リーグで１９得点を挙げ得点王とＭＶＰを獲得。４クラブ競合の末、今季Ｇ大阪入り。３月１０日のリーグ開幕戦神戸戦でデビュー。元Ｕ―２１日本代表。１メートル７０、６９キロ。利き足は右。