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沢、嗅覚戻った!!仏に完敗も昨年9月以来のフル出場

[ 2012年7月21日 06:00 ]

<日本・フランス>前半、宮間のFKのこぼれ球に反応し、シュートを放つ沢

国際親善試合 日本0-2フランス

(7月19日 フランス・パリ)
 W杯得点女王が得点感覚を取り戻した。なでしこジャパンは19日の国際親善試合でフランスに0―2で敗れた。ロンドン五輪前最後の試合で完敗し暗雲が垂れ込めているが、エースMF沢穂希(33=INAC神戸)は昨年9月8日の五輪最終予選北朝鮮戦以来の国際Aマッチでフル出場し、ポスト直撃のシュートを放つなど、ゴールに対する嗅覚もよみがえってきた。なでしこジャパンは20日、英国入りした。

 五輪1次リーグ初戦カナダ戦の6日前に沢が最後の仕上げに入った。国際Aマッチでのフル出場は昨年9月8日の五輪最終予選北朝鮮戦以来。0―2の完敗という現実を直視しながら、五輪前最後のテストマッチで90分間ピッチを走れたことを素直に喜んだ。

 沢「自分自身、途中で交代するかなと思ったけれど、90分できた。オリンピック前に自信につながった。うん、90分できたことは凄い自信になりましたね」

 INAC神戸では今季既にリーグ戦などで7試合にフル出場しているが、スピードやプレッシャーなどレベルが違う国際試合でフルに戦えたのは大きな前進だ。そして昨夏のW杯ドイツ大会で5ゴールして得点女王に輝いた得点感覚もよみがえりつつある。前半43分、宮間がゴールほぼ正面22メートルのFKを狙ったが、GKにはじかれた。そのこぼれ球に誰よりも早く反応したのが沢だった。

 沢「あそこ(でのシュート)は腰をこうひねって…。角度がなくて難しかったけれど、自分の中でも、いつこぼれてくるか、反応できてきた。しっかり決めないといけないけれど、あそこにいるだけで違う」

 シュートは左ポストを直撃し、11日のオーストラリア戦に続く2戦連発とはならなかったが、自身を「感覚の女」と評するエースがあの瞬間、あの場所にいて、シュートを打てたこと自体に大きな意味があるのだ。チームとして反省点が多いのは分かっている。警戒していた攻撃のキーマンであるドゥリ、ネシブを止められなかった。決定機を生かせず昨年7月5日のW杯イングランド戦以来18試合ぶりの零敗。それでも自信を取り戻したことの方が大きい。

 沢「前半の最後は自分たちのリズムがつくれた。監督も言っていたけれど、自信を持って自分たちのサッカーをしたらいいと思う。もっともっと、みんな上手だし、できるところはあるんだから。これを無駄にしちゃいけない」

 なでしこを背負い続けた沢が言う自信。それを実践できれば金メダルに続く道を踏み外すことはない。

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2012年7月21日のニュース